沖縄の米兵による「少女暴行事件」は一転した。
那覇地検が29日、38歳海兵隊員を不起訴処分とし、釈放した。少女が「これ以上、さわがれたくない」と告訴を取り下げたためだという。
この事件、発生当時から不可解なものを感じていた。そのことは産経連載コラムや当メルマガなどでも書いた。
以下は、米兵釈放を伝える朝日のネット配信記事の一部。
<県警は2月10日夜、北谷町(ちゃたんちょう)北前1丁目の路上に止めた車内で女子中学生に乱暴したとして、同11日未明、強カン容疑で海兵隊員を緊急逮捕した。隊員は調べに対し「女子生徒に関係を迫ったが、拒まれたので乱暴はしなかった」などと供述し、容疑を否認。地検は強カン未遂罪の適用も含め、慎重に捜査を進めていた。
県警の調べでは、隊員は同10日夜、沖縄市の路上で、友人と一緒にいた女子生徒に声をかけ、「家まで送る」と言ってオートバイで本島中部の自宅へ連れて行き、その後、自宅から逃げ出した生徒を「家まで送ってあげる」と言って車に乗せて、北谷町に行った、とされていた。>
「強カン」は親告罪だ。だから告訴を取り下げれば、不起訴となる。「強カン未遂罪の適用も含め・・・」というのは、どういう意味か。
この記事から読み取れるのは、
・強カンの事実はなかった
・だから地検は強カン未遂罪の適用を検討した
・それでも起訴は難しいとして、少女に告訴取り下げを求めた
・・・ということではないのか。このところ、米兵の取調べ状況に関する報道がほとんど見られなくなったので、なにかあるな、とは感じていた。
米兵は日本人妻と別居後、「女性あさり」をやっていたらしいから、かばい立てすべき対象ではない。であっても、米兵に誘われて無防備にバイクに乗ってしまう「しつけの欠如」はどういうものか、などと書いたら、すさまじい攻撃が来た。
例によってネット社会は「匿名を隠れみのとした誹謗中傷」が横行するという負の側面があるから、当方は「鬼畜」とまでののしられてしまった。
こちらは「大人の社会の常識」を述べたに過ぎない。そこが理解できないようなら、もっと人間や社会の勉強を積んでから、ネットの世界に入ってきてほしいものだ。
日本ジャーナリスト会議という左翼運動団体がある。特定の政治運動をやっている団体にジャーナリストと名乗ってはほしくないが、そこの機関紙「ジャーナリスト」のコラムでは、当方を呼び捨てにして<産経新聞は・・・被害少女の「無防備さ」と親の「しつけ」の不徹底を責める文を掲載した>ときた。
すでにポイント部分は書いてはいるが、書ききれなかったことも含め、筆者がこの事件の発生当時に感じた疑問を改めてまとめておく。
・なぜ「強カン」だけで逮捕したのか。車の中での犯行なら、手足にあざのひとつやふたつできてもおかしくないはずだ。「傷害」が容疑に含まれれば、つまり「強カン致傷」なら親告罪ではなくなる。警察独自の判断で逮捕できる。発生当時、警察当局に何らかの「迷い」があったのではないか。
・「反米・反基地団体」や地元の首長、議会などは、事件を奇禍として、日米政府を責め立てた。そこには、少女の人格への「尊厳」などとは別次元の政治的思惑が作用していた。
・地元首長や議会には、10年以上もたちながら、自らの調整能力の不足で先送りさせてきた「普天間移設」をさぼる口実ができた、といういやらしい思惑があった。
ヒステリックにこの事件を伝え、米軍基地は出て行けとののしった一部メディア、とくにテレビは、いま、どう考えているのだろうか。正義派ぶったコメンテーターらのおぞましい顔がいくつも浮かんでくる。
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