1596 突っ張り合いの瓢箪から駒 古沢襄

ねじれ国会で小沢民主党は突っ張り、福田自民党は為すすべがない状態。党利党略の政治には国民はうんざりしている。政治から中立であるべき日銀総裁の人事も党利党略で決まらない状態では、諸外国からも日本の政治混乱はどうなっているのか、と言われそうである。
<与党は3日午前の参院予算委員会理事懇談会で、参院に送付された08年度予算案の審議に4日から入るよう求めたが、野党は予算案や税制改正法案の衆院通過を与党が強行したことに反発し、拒否した。与党は早期審議入りを目指すが、民主党は当面、審議に応じない構えで、国会は空転が続きそうだ。政府による次期日銀総裁人事案の提示日程にも影響するのは必至で、与野党の駆け引きは激しさを増している。(共同)>
この閉塞状態は自民党や民主党、地方県知事の中から超党派で打開の動きが芽生えようとしている。三日、超党派の「せんたく議員連合」が発足している。入会者は一〇七人。自民党は福田首相、麻生前幹事長に近いグループ、民主党は小沢氏に距離を置くグループが目立ち、公明、国民新党からも参加があった。
これは政界再編のきっかけになると思うが、数合わせてでスタートして、あえなく瓦解した細川内閣の轍を踏まないという配慮があるようだ。新党結成には触れていない。政策集団の看板を掲げて、追々同志を集める慎重な歩みをとろうとしている。
人気絶頂の東国原宮崎県知事も名前を連ねているが、地方県知事からも多くの賛同を得ているので、地方分権がひとつの旗印になるだろう。前岩手県知事の増田総務相もいずれ参加を表明するのではないか。
突っ張り合いの混乱政局が続けば、この動きが台風の目になる公算が十分ある。政界再編成論者の小泉元首相が、このところ活発な動きをみせている。中川元幹事長、与謝野前官房長官らも同調するのではないか。安倍前首相も中川氏の工作で派閥復帰した。小泉チルドレンの大量参加の動きもでよう。
小泉、安倍ラインは民主党のアンチ小沢グループを巻き込んだ政界再編成を探ってきている。こうなると大連立話は色褪せてくる。取り残されるのは自民党の抵抗勢力と民主党の小沢自由党系、旧社会党系ということになりかねない。
<自民、民主両党など超党派の有志でつくる「せんたく議員連合」が3日、都内で設立総会を開いた。北川正恭前三重県知事らが結成した「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合(せんたく)」と連携し、マニフェスト(政権公約)の定着などを目指す。入会者は107人に達し、政界再編のきっかけになる可能性があるとして注目を集めている。
同日の総会には自民、民主、公明、国民新各党の国会議員77人が出席、共同代表に自民党の河村建夫、民主党の野田佳彦両氏が就任した。野田氏は「次期衆院選を歴史的な政権選択の選挙にするのが大目的」と強調した。マニフェストのほか国会改革、分権改革、霞が関改革、環境問題の各テーマで分科会を設け、定例会合を開く。
自民党では福田康夫首相に近い議員だけでなく、麻生太郎氏を支える菅義偉選挙対策副委員長らも参加する。民主党では野田氏のほか、枝野幸男氏ら小沢一郎代表に距離を置く議員が少なくない。(日経新聞)
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