中国全人代「食品の安全見直し」? 欧米マスコミは黙殺。教育費45%の増大に庶民が不満と不安広がるなか、怪しげな上場報道。
全人代での基調報告は二時間半。最初に演説した温家宝首相は食品の安全見直しと台湾への柔らかな対応をのべた、というのが日本のマスコミの似たり寄ったりの報道だった(「台湾独立に断固反対」と述べたのが、「柔らかな対応」という表現でいいのか、どうかは議論のあるところだろう)。
英米の報道姿勢はすこし違った。「自家用車をもつ家庭が増え、携帯電話が普及し、インターネットの増大もあったが、インフレは過去十一年ぶりに7・1%を更新したと温家宝は杞憂の念を表明した」(ワシントンタイムズ、3月6日)
「教育費が45%増大し、家計を脅かしつつある現実に懸念を表明した」(フィナンシャルタイムズ、3月7日付け)
だが、温家宝首相の心中は、もう少し違うのではないか。
業界第二位の「平安保険」が、かねて計画中だった170億ドルもの新株発行が株主総会で認められた(3月6日)。証券監査委員会は、この上場に待ったをかけていた。
この平安保険は温家宝首相の夫人の「異様な関与」が噂され、しかも生保が、いったい何のために巨額の増資をするのか疑惑が業界からもあがっていた。
「国際化の為だ」というのが平安保険の増資理由説明だが、英誌フィナンシャルタイムズなどは「英国最大プルーデンシャル保険より時価総額が大きくなるので海外ライバルの買収が可能になる」と示唆的な分析をしている。
実際は伏魔殿、意味不明の錬金術の疑いが濃厚ではないのか。というのも市場の反応がじつに黒い噂を背景に、否定的な動きを示しているのだ。
平安保険は昨年十月のピーク時に一株あたり150人民元近くまで暴騰していた。一月中旬に98・21元、それが増資発表と同時に67・10元。ピーク時から55%もの暴落、一月からだけでも32%の下落を示しているからだ。民衆はなにか、暗い予兆を感得している証拠だろう。
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1609 中国全人代の食品安全見直し? 宮崎正弘
宮崎正弘
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