電通が発表した“2007年日本の広告費”が紙業タイムス社の週刊誌版“Future”に掲載されていた。そこからの引用である。
実はこれに関連して昨年8月にSBSラジオで2006年の「紙媒体の衰退」を取り上げていたので、その消長をざっと取り上げてみる。簡単に言えばインターネット広告の一人勝ちのような結果であって、矢張りかと思わせられた。
すでに広く知られているようにアメリカでは新聞の衰退が著しく、新聞用紙の需要も製造設備もここ5年間に20%見当激減している。中には「新聞が生き残ろうと思うならば全量フリーペーパーにするしかない」等という極端な説を唱えるアナリストもいるくらいだ。
雑誌も同様に苦況で、かのTIMEは昨年4月から発行部数を400万部から20%削減して320万部にしてしまった。その言い訳が凄かった。「この80万部はホテルや航空機内で無料配布しているのだから、売り上げには影響がない」だった。
さて、2007年の日本の広告費だ。
総広告費 70,191億円 対前年比 1.1%
マスコミ4媒体 35,699 〃 ▲ 2.6%
新聞 9,462 〃 ▲ 5.2%
雑誌 4,585 〃 ▲ 4.0%
ラジオ 1,671 〃 ▲ 4.2%
テレビ 19,981 〃 ▲ 0.9%
インターネット 6,003 〃 24.4%
となっていた。紙パルプ業界出身者としては落胆せざるを得ないと同時に、この流れをせき止める手段は残っていないのではないかと、再認識した。
以前こんな数字を教えて貰ったことがある。それは我が国の人口に占める高齢者(65歳以上のことらしい)が25%を占めている。その中の10%がPCを持っている。
すなわち1,250万人程度だ。さらにそのまた10%が日常的にPCを使って仕事をするなり、何らかの形で活用しているのだそうだ。
それを聞いて私は思った。それならば可処分貯蓄?が各年齢層の中で最も多いと言われている高齢者宛にインターネット広告を打ったところで、費用対効果が思わしくないのではないか。
故にインターネット広告はアメリカほどには普及しないで、紙媒体もアメリカほど急速に衰えないであろうと希望的観測を立てた。
だが、インターネット広告は06年にすでに対前年比で27.8%を記録しており、07年も多少成長率が鈍化したとは言え、他を圧している。これでは我が国の製紙産業は古紙配合率問題などでウロウロしている場合ではあるまい。
(唸声氏の見解)
ネットを除き全ての媒体の広告費が下降線、特に新聞の落ち込みが甚だしい。
某新聞社は日本ABC協会の調べによると806万部と言われていますが、消費者の手元に渡されている分は一体何部なのか?販売店側で即日古新聞になる例もあると聞きます。
それに比べてネットでのアクセス件数は実数字ですので、新聞発行部数に比して公正かと思われます。(アクセス件数も増やそうと思えばインチキは可能のようですが?)
「某社の数字」を見ると1日の紙使用量は1800トン、インク30トン、これだけ消費するのですから、嘘は絶対に書けない筈です。それなのに・・・。
2007/1より6平均、主たる新聞社別発行部数
http://adv.yomiuri.co.jp/yomiuri/busu/busu01.html
某社の数字
http://www.asahi.com/shimbun/honsya/j/number.html
インターネット広告 効果測定調査レポート
http://www.jiaa.org/download/jiaameasurement.pdf
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(3月3現在1605本)
1619 日本の広告費(2007年) 前田正晶
![](https://azaban.com/wp4/wp-content/themes/cocoon-master/screenshot.jpg)
コメント