1645 無視界飛行はまだ続く 古沢襄

日銀総裁人事の民主党反対は党内事情によるものだという観測が生まれている。大連立騒ぎで求心力が低下している小沢代表だが、仙谷元政調会長の反対論を無視して、福田首相と折り合いをつける危険をおかすつもりはない。
そのあたりの空気を伊吹幹事長は甘くみていたきらいがある。底流には福田・小沢の大連立話が再燃することを嫌う民主党内の抵抗がかなり根強いことを窺わせる。鳩山幹事長は「民主党が適当ではないと思われる案であれば、不同意にせざるを得ない」と再提案にも厳しい態度を崩していない。
「空席を望むものではないが、結果として空席になった場合は、今の日銀法の中で粛々と行えばよい」とまで言い切った。無視界飛行はまだ続く。
<[東京 14日 ロイター]民主党の鳩山由紀夫幹事長は14日の記者会見で、難航する日銀総裁人事に関し、総裁の空席は望んでいないが、仮に空席になった場合でも、現行の日銀法の下で粛々と対応すればいいとの見解を示した。
政府が提案した日銀正副総裁候補のうち、白川方明・京大大学院教授(元日銀理事)の副総裁就任が確定しており、総裁空席の場合は、白川新副総裁が日銀法に基づいて総裁代行を務めればよいと述べ、空席回避のために与党内で浮上している福井俊彦日銀総裁の暫定的な任期延長論に反対の考えを示した。
政府案の再提示と今後の日程に関して鳩山幹事長は「政府側は、17日に新たな人事案を出してくると思う。18日に様々な手続きを行い、19日の両院本会議で民主党も認められるような人事案を切に望む」との見通しを示した。
そのうえで鳩山幹事長は「民主党が適当ではないと思われる案であれば、不同意にせざるを得ない」と指摘。「空席を望むものではないが、結果として空席になった場合は、今の日銀法の中で粛々と行えばよい」と述べ、日銀法改正を伴う福井現総裁の暫定的な任期延長論をけん制。「今の日銀法の中で、(副総裁に就く予定の)白川氏が総裁を代行して仕事をされるのが望ましい」と付け加えた。
また、政府が武藤敏郎日銀副総裁の総裁昇格を再提示した場合の対応については「一度不同意にした方を同意することはありえない」と述べ、あらためて否決する考えを強調。「常識的には、(政府が)一度不同意にした方を同意人事案件に乗せてくるとは思えない。ありえない話だ」と述べた。ただ、「それでも政府がそういう手段をとれば、一事不再議は当然である」と政府の対応をけん制した。
現日銀総裁・副総裁の任期切れが19日に迫る中、これまでに確定したのは白川方明・京大大学院教授の副総裁就任のみ。政府は17日以降に人事案を再提出する方針を示しており、来週、総裁と1人の副総裁の同意人事案が国会に諮られる。(ロイター)>
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