陳良宇(元上海書記)の裁判が天津で開廷の模様。胡錦濤の権力闘争のやや怪しげな結末がまもなくでる。
3月26日付け「博訊新聞網」によれば、天津の第二中級人民法院(高等裁判所)で陳良宇の裁判が開始されたと伝えた。
「裁判所対面の商店主目撃談によれば、早朝から法院の周辺は厳戒態勢が午後四時までつづき、警備車六両に守られていた」という(香港「大公報」)。
天津で、大物の裁判が開かれたのは四年ぶりのことで、2004年12月に湖北省副省長だった張国光が懲役十一年に処せられて以来。
陳良宇は江沢民の上海における利益代弁者で汚職の巣窟。
デベロッパーの周正毅とくんで、上海の土地をつぎつぎと強制収容し、転売。あげくに上海市職員の福祉年金から600億円を流用して不動産物件や土地の投機にあてていた。
胡錦濤は、江沢民一派を追い込むために、陳を逮捕させ、北京の泰城監獄に収容(上海閥からの拉致奪回を恐れた?)、しかも裁判を天津へわざわざ移して極秘の裁判を行っている。
一時は死刑の噂も流れたが、昨秋の第十七回党大会で江沢民派が大量に政治局員を占め、さらに法務、公安、規律部門を江沢民派と太子党が固めたため、陳良宇の裁判は可能な限り延長されている。
江沢民が三月の全人代を欠席したのは、顔面神経痛と伝えられ、その病状次第で裁判が早まったり遅延されたりするのではないか、と観測される。
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1700 陳良宇の裁判? 宮崎正弘
宮崎正弘
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