九十九里旅行の雑感
メルマガ「頂門の一針」主宰者の渡部亮次郎氏から「GNP」という言葉を教わった。G(元気)N(長生き)P(ぽっくり)が第二の人生の要諦だという。生涯現役であろうが余生だろうが、GNPは理想だ。
東京・府中の大国魂神社界隈を運転していたら、向こうから来るオバサンが歩道を自転車でふらふらしている。「やばいことになりそうだなあ」と徐行したら、オバサンは車道にゆらゆらと落ちてきた。車の50センチ手前である。
大丈夫ですか、ケガはないですか、とケアはしたが、大丈夫で良かった。オバサン曰く「ごめんなさい、ぼーっとしていました」。60過ぎの自転車は要注意だ。ちょっとでも接触していたら小生は業務上過失傷害。へたをすれば(ふんずけたら)逮捕されただろう。
先日家族5人で房総半島を巡った。潮来から九十九里を一気に南下し、銚子で宴会・宿泊というプランだ。アクアラインを使おうと思っていたが、次女が「なに言ってんのパパ、アクアラインを使ったら潮来まで6000円もかかるよ。普通の高速なら2500円だよ」。
で、人は安きに流れる。川崎からぐるっと東北回りで潮来へ行き、九十九里を南下した。
太平洋の荒波が襲いかかるから九十九里はすごい。風もすごい。100基を超える巨大な風力発電がぶんぶん回っている。小生はこういうのが好きだ。「は、は、浜まで車で行ってみよう、な、な、波を見ようよ」。
波を見る前に砂にタイヤが埋まってしまった。もう車は全然動かない。「もう、あんたって人は」とカミサンはいつもの正当な非難を小生に浴びせる。
回りを見渡せばウエットスーツのサーファーがごろごろしている。長女はPADI(潜水)の免許があるから、海の民とは友だちだ。「すいませーん、ヘルプミー、ヘルプミーよ、I need your help!」
一気にウエットスーツが10人集まって車は砂地獄から脱したが、サーファーは皆人がよさそうだ。それにしても真冬にサーフィン。すごいなあ。
銚子の突端の犬吠崎灯台もすごかった。カモフラージュして米軍の攻撃に耐えたが、何人か亡くなっている。小生は命懸けで灯台を守った人々に感謝の祈りを捧げた。灯台まで攻撃する必要があったのか。ありはしない。日本人を殺したかっただけである。
その夜の宴会では、高速道路のバスから落ちてきた子供をはねてしまったドライバーが逮捕されたという話が話題に上がった。「それを罪に問うのはあまりにも理不尽だろう」という話が盛んだった。
その後、無罪放免されたそうだが、ずいぶん辛い思いをしただろう。天災としか言いようのない、避けられない事故はある。基準を設けてきちんとしたほうがいいだろうと思う。
警察庁によれば、
<前年と比べると,死者数は519人(7.6%),発生件数は4万6,964件(5.0%),負傷者数は5万8,434人(5.1%)減少した(死傷者数は5万8,953人(5.1%)減少)。
交通事故による死者数は,昭和30年(死者数6,379人)以来51年ぶりに6千人台前半となった。一方,平成16年に過去最悪を記録した発生件数及び負傷者数は,17年に引き続き2年連続で減少したものの,負傷者数は8年連続で100万人を超えるなど,依然として憂慮すべき交通情勢にある。
自転車乗用中の死者数については,65歳以上の高齢者が他の年齢層に比べ圧倒的に多く,全体の58.5%となっている。なお,自転車乗用中(第1当事者)の死者数を相手方当事者別にみると,自動車が圧倒的に多く,全体の78.8%となっている。
歩行中の死者数については,65歳以上の高齢者が他の年齢層に比べ圧倒的に多く,全体の66.2%となっている。>
齢を重ねれば反射神経や動体視力はどうしても落ちてくる。ジイジ、バアバは気をつけてGNPで人生を楽しんでください。
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