参院民主党で静かな造反が広がっている。小沢・輿石・山岡三人組による強引な党運営に対する批判が日を追って強くなった。福田内閣の支持率が急落しているのに、小沢民主党の支持率が低迷したままというのは、戦後政治の歴史でも極めて奇妙な現象というべきであろう。
三人組のイメージが悪いから、せっかくのチャンスを民主党が生かしきれていないという不満が民主党内に鬱積する一方だ。日銀人事で参院採決をする度に党の方針に造反が増えているというのは、この不満の現れとみることができる。
民主党はもともと党内民主主義の色濃い政党。党内の多数意見を無視して、三人組の方針を押しつける風土はなかった。小沢自由党では当たり前だったトップ独裁が、民主党の風土には馴染まない。それが民主党の良さでもあり、弱さでもあると言われてきた。
このままだと自民党政治に不満を持つ層にとって、受け皿となる政党がないということになる。独裁色が濃い小沢民主党よりも、頼りにならない福田自民党の方がマシとうことになりかねない。
ここは九月党大会を待たずに民主党のイメージを一新することが必要ではないか。鳩山代表でも岡田代表でもいいではないか。民主党の支持率は上昇するだろう。暗いイメージだけは払拭した方がいい。
<参院本会議で9日行われた前財務省財務官、渡辺博史氏の日銀副総裁起用案の採決で、同意と不同意の差はわずか6票だった。民主党会派から3人が党方針に造反して賛成に回った上に5人が欠席・棄権した。3月12日の武藤敏郎総裁案の採決時には23票差で不同意、同19日の田波耕治総裁案は13票差の不同意だった。差が縮まってきたことになる。
これまでの参院本会議採決で造反が出たのは、田波総裁案の採決時の1人だけだった。渡辺副総裁案には、党内で容認論が大勢だったが、小沢一郎代表が「不同意」で押し切ったことへの不満が背景にある。
造反は渡辺秀央、大江康弘、藤原正司の3氏。犬塚直史、風間直樹の2氏は本会議に出席して棄権した。桜井充、木俣佳丈、森田高の3氏は欠席した。民主党と統一会派を組む国民新党の4人は、方針通り渡辺副総裁案に同意した。
衆院本会議は起立採決で行なわれ、造反はなかった。(毎日)>
◇参院本会議での日銀副総裁人事案への野党の造反・棄権・欠席状況(敬称略)
民主党 渡辺秀央 造反(同意)
大江康弘 造反(同意)
藤原正司 造反(同意)
犬塚直史 棄権
風間直樹 棄権
木俣佳丈 欠席
桜井 充 欠席
新緑風会 森田 高 欠席
国民新党 所属4人 同意
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1736 静かな造反が広がっている 古沢襄

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