1744 マケイン氏の演説(下) 平井修一

ヴェトナム戦争での試練は将校としての糧にもなりました。私がセシルフィールド空軍基地に勤務し、海軍で最も大きな飛行中隊のVA 174の司令官を拝命したとき、アメリカ合衆国の軍の戦闘準 備態勢は非常に低いレベルにあり、私の部隊も例外ではありませんでした。
我々はおよそ50機の航空機を持っていましが、それらのおよそ半数は地上に釘づけにされたような悪い状態にありました。私は状況を改善する決心でしたが、私自身の決心だけでは不十分だということを知っていました。
私は上官と交渉し、1機の航空機から部品を外して他の航空機へ流用させてくれれば、私の任期中に航空機はすべて空を飛べるようにすると約束しました。戦闘準備態勢を回復させる計画は大きな決意と、ともに働くパイロット、スタッフ、クルーの人的資源なしではうまくいきません。
部隊はほぼ1000人で、非常に献身的で勤勉、革新的な人々でした。彼らは一生懸命に共通のゴールを目指して努力し、チームの業績を誇りにし、個人を超えたチーム全体の成果に彼らのエネルギーを注ぎました。もちろん部隊の目的は飛行訓練ですが、VA 174の男女は、より大きな目的に奉仕しているということを知っていました。すなわちベトナム戦争の後、一時的に軍隊を悩ました、士気と準備態勢の能力低下を克服するという米国海軍の決意を示すということです。
任期の最終日に、副司令官かつ友人のカール・スミスは、私の約束通り、部隊の飛行機のすべてを飛び立てるようにしてくれました。最後の機材はテスト飛行の準備が整い、無事に飛び立ち、そして着陸しました。我々はゴールを達成しました。我々はあらゆる飛行機を地上釘付け状態から解放するとともに、事故なしの最長飛行時間記録を作り、VA 174に最初の「部隊殊勲賞」をもたら しました。この経験は、私の海軍経歴で最も価値がある任務でした。
軍隊・軍事には多くの特性があり、それ故に特別な職業とされています。しかし、最も重要な能力は、いかなる困難、混乱、絶望の状況だろうが、任務をやり遂げるという能力です。昔からの軍の格言に「戦術は初戦で敗退する」というのがあります。兵士は予想外のものを予想し、それを受け入れることを教えられ、どんな逆境にあろうと自分で戦術を修正あるいは応急でつくり戦います。それは予想外の変化について兵士が不平、不満を言わないということではなく、いかなる状況であろうと任務を遂行するように訓練されているということです。
それは、この国ですべての公務に浸透させるべき倫理体系であり、アメリカ人が選択するすべてのリーダーに要求される資質であるべきです。我々は歴史上、最も完成した国です。そして、我々の政治システムは他より優れています。しかし、我々は大きな変化と挑戦の歴史的に重要な時代にあって多くの課題を抱えています。これまでの前世代のアメリカ人がしてきたように、我々の子供たちに我々が受け継いだものよりさらに良い国を確実に残さなければなりません。
我が国の繁栄、強さ、成長を維持するために、我々は再考し、改良し、再構築しなければなりません。我々の子供たちの教育、我々の労働者の訓練、医療サービス、退職者のサポート、我々の輸送ネットワークの活性化、研究開発の促進、新技術を利用をどうしていくのか。
身を守るために、我々はこれまで以上により良く賢明なあらゆることをしなければなりません。我々は軍隊の編制と任務を再考一新し、再編しなければなりません。我々のインテリジェンスと執行機関の能力、我々の同盟の目的、我々の外交の到達点と見通し、我々が現在直面する危険から守るための政府のすべての機関の能力。
我々は、アメリカの力のすべての要素を整理する必要があります。我々の軍隊、経済、投資、通商、テクノロジー。我々は同盟を強化する必要があり、他国へも支援を構築する必要もあります。他国が認識しているかどうかはともかく、彼らも我々同様に生活に対する同じ脅威に直面しているのです。
我々は政府のすべての部署を通じて、テロ攻撃や自然災害に対して、これまで以上に迅速かつ効果的に備えなければなりません。私は「大きな政府」の主唱者でありません。民間部門には安全保障で果たすべき重要な役割があります。しかし、アメリカ人が自然または人工的な大災害に直面するとき、政府は管区の全域で、しっかりと組織を作り、飲料水を赤ちゃんや老人に届け、停電した病院から弱者を救い出す準備ができていなければなりません。
これらの難題について、状況が悪くなり一段と困難になったあと、将来の世代、不運な後継者に解決を先送りすることができます。しかし我々はテーブルにすべての党を着かせて、時代の挑戦に対する理にかなった解決策を打ち出すこともできるのです。
我々の軍隊、インテリジェンス、外交、法の執行を強化し、アメリカの理想と交渉力を使い、狂暴な過激派との戦いに勝つ。そして、進歩と平和を信じる大多数のイスラム教徒を助ける。
連邦予算の収支バランスをとるため、まやかしではなく実体のともなった経済成長を促して、政府が国民のお金を不適切なところに使うのを防ぐ。使うお金について責任と透明性を担保し、政府だからこそ提供できるサービス分野に使い、失敗のない、国民をとまどわせない方向で執行する。
社会保障とメディケア(医療保険)は、トリックや一時的なバンドエイド的解決、うそとポーズで問題がより難しくなり、あまりにも長い間我々の期待を裏切ってきましたが、我々の緊急課題として救済する。
我々の税制をより単純に、より公平に、より公正にし、よりプロフェッショナルな税務に努める。
エネルギー政策では石油の外国に対する危険な依存を減らし、アメリカの産業とテクノロジーを、我々の国をより安全で、よりきれいで、より繁栄させるように方向付け、他のエネルギー源の使用、開発、発見において世界をリードする。
アメリカの商品とサービスの新市場を開拓し、アメリカの労働者のためにより多くのより良い仕事を創出し、仕事を失った労働者を支援するために、失業保険と制度疲労を起こしているプログラムをオーバーホールする。
健康保険のないアメリカ人を支援するため、国を破産させることなく、世界が羨ましがるほどにアメリカの健康管理の質を向上させ、健康保険を得られるようにする。
我々の公立学校の透明性を高め、説明責任にさらに応え、重要な責任を果たすことがよできるようにし、我々の子供たちが世界で取り組むチャレンジの準備をさせなければなりません。
もとより我々は完璧な国でありません。我々の歴史には恥辱と無念の時期もありました。しかし、我々が建国以来の短い歴史において成し遂げたものは、自由の国というものは、多数の代価で少数が享受するような国や、単一の民族、文化、長命より大きな特質がない伝統だけの国よりも、より強く、より人間味があり、より永続するという、まごうことのない事実です。
しかし、我々と同じくらい恵まれても、その大国ぶりに満足した国は長く支えることができません。我々もまた、先人が証明したように、歴史が我々に割り当てた務めを果たせることを証明しなくてはなりません。アメリカで解決不能の問題は何もありません。何もない。
我々は世界のリーダーです、そしてリーダーは過去に恋々することなく、未来を恐れません。我々は過去より良い未来を創っていく。我々は歴史から消えません。我々が歴史を作ります。みなさん、それがアメリカの希望の本質です。勇気の上に築き上げられた希望であり、我々を偉大にした価値観に対する信念です。私はそれらの原則に立ち、我々の偉大な未来へ向けてこの国の前進を手伝いたい。私が生涯かけて仕えてきた人々の判断、良識、表決を信じています。
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