1753 “血の弾圧”の専門家 宮崎正弘

黒龍江省からやってきたのは“血の弾圧”の専門家。北京五輪の治安維持対策現場責任者は楊換寧・公安副部長。
楊換寧といえば黒龍江省政法委員会書記だが、もともと公安系勤務が長く、新彊ウィグル自治区、チベット自治区での独立運動に仮借ない血の弾圧を加えた専門家として知られる。
北京は五輪期間中に「テロ」を最も恐れており、とりわけ新彊ウィグル自治区の「東トルキスタン独立」「ウィグルスタン」独立をそれぞれ求める、複数のイスラム原理主義過激派の五輪妨害から競技会を守るとして、六月から治安維持強化に入る。
アフガニスタンのアルカィーダの軍事訓練地域へウィグルの若者がおよそ1000名ほど、パキスタン経由でいまも潜り込んでいる説が有力で、「資金源は武器密輸ルートのほか、麻薬密売組織のルートに重複している。ウィグルスタン独立運動なのか、麻薬犯罪集団なのか見分けがつかない」(シドニー・モーニング・ヘラルド、3月15日付け)。
「東トルキスタン独立運動の過激派はロケット推進型の手榴弾、M16機関銃などで装備し、中国人殺害を叫び、実際にパキスタンでは数人の中国人エンジニアが殺された」(チャイナブリーフ、4月14日号)。
3月7日、ウルムチを飛び立った中国南方航空690便は、機内で爆薬を造っていた男女二人を発見し、蘭洲空港へ緊急着陸した。19歳の女は長くパキスタンに滞在していた証拠があり、パキスタンのパスポートを所有していた。
北京五輪の攪乱、妨害あるいは物理的阻害をねらったテロが予想され、240万人の私服刑事も投入される。
「また五輪期間中、特別警戒地区は、首都・北京のほか、天津、秦皇島、瀋陽、上海、青島、香港の七カ所となり、火薬物、銃砲類の持ち込みはもちろんのこと、花火、爆竹の類いにいたるまで、一切の火薬を使用する物品を「危険物」と認定し、持ち込み禁止措置をとる(6月1日から10月10日まで)。この通達は先頃、公安部からなされた」(多維新聞網、4月15日付け)(注 楊換寧の「換」は火扁です)
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