東京でも7月から、成人識別カード「タポス」が無いと、自販機でたばこが買えなくなる。未成年の喫煙を抑止するのが目的だ。
たばこ屋が「吸ってはいけません」「体に悪いです」なんて自ら広報宣伝せざるを得ないのだから、誇りも何もない。屈辱の思いをたばこ業界は味わっており、「タポス」でほとんど死の宣告を受けている。
すでに3月1日から宮崎県と鹿児島県では「タポス」が始まった。「タポス」が無ければ自販機でたばこは買えないのだ。(コンビニやたばこ屋さんでの対面販売は自由)。
昨年まで全国でたばこ自販機は60万台あった。今年は40万台である。「タポス」対応にするには1台あたり15万円も改作費用がかかるので、売れ行きの悪い20万台はカットしたのだ。
「たばこオペレーター協会」という団体がある。もっぱら自販機でたばこを売っている会社の団体で、「タポス」で最も影響を受ける人々である。
宮崎と鹿児島のたばこオペレーターに取材すると、3月の前年同月比売上は宮崎24%、鹿児島29%まで落ち込んだ。4月中旬で、ようやく40%まで回復してきた。それにしても4割しか売上が回復しないということは、6割の人が解雇されるということだ。
「とにかくタポスを普及させるしかない、企業ぐるみで社員にはタポスを取得してもらうとかね、普及率をアップするしかないんだよ」
しかし、あの手この手でタポスの普及に励んでも、1年、2年たったところで「売上は70%くらいしか戻らないだろうよ。たばこオペレーター業者はほとんどつぶれるだろう」と大手業者はこう続ける。
「今うちは年商50億円だから、それが35億円に減るだろう。それでも売上が望めるところに自販機を集中的に設置していけば生き残れる。それどころか、業界がガラガラポンで、財務体力のないところは身売りするしかないので、私どもにとってはM&Aの機会ができて、まさにピンチがチャンスになる」
さてさて、どうなるものやら。のんびりと第2の人生を過ごしたい気分と、業界再編の先頭で突撃したい気分が輻輳している。性格から思うに小生は突っ込んでいくのだろう。
(追伸: 4月26日に長野で聖火リレーを見学してくるとカミサンに言ったら、「あんた、妨害しに行くのでしょ、ダメ、絶対!」と禁足令が発動されてしまった。ああ、いかにせん?!)
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