1766 伊藤正『トウ小平秘録(下)』 宮崎正弘

伊藤正・産経新聞中国総局長殿。
長い間の連載ご苦労様でした。連載中にも精読しましたが、取材された多くの皆さんのご苦労が本書を通じて了解できるとともに、こうやって大著を読み直す(再読するときも手に汗を握りながら)と、現代史のどこの部分が謎のままか、明らかになりますね。
参考文献の一覧も参考になります。次に中国へ行ったときに購入したい書物も多くありました。
天安門事件の舞台裏は、依然として謎の深い闇にありますが、陳雲らが武力弾圧に反対し、楊尚昆・白泳兄弟が利用され、やがてトウ小平によって斬られる過程など、現代中国三国志です。
解説の何清蓮女史は、短い文章の中にもトウ小平の時代とは歴史的にどういう意義を持つのか、考えさせられる文章が並んでいます。
この労作の完結を祝うとともに、本書に関しては別の日に詳しく書評させていただきます。
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