1774 喧嘩上手の小泉さん 古沢襄

将棋でいう”千日手”に民主党が陥る可能性がでてきた。接戦を演じている衆院山口二区の補選で民主党が辛うじて勝ったとしよう。それでも与党は税制関連法案を月末の三〇日に衆院で再可決する。
これによって民主党が今国会で全面的に審議拒否しても、会期を延長して他の法案も三分の二の再可決の規定を使って突破する構え。山岡国対委員長の突っ張り路線に対抗して与党側も強行方針に転じた。
これは小沢代表との話合い路線にこだわっていた福田首相の本意ではなかろう。その甘さを山岡国対に突かれてきた傾向がある。イライラしながら見ていた小泉元首相だったが「総理もようやく吹っ切れた」・・・。やはり小泉さんは喧嘩の仕方を知っている。
税制関連法案を三〇日に再可決すれば、国会は完全な対決モードになる。ゴールデン・ウイークを使って”外遊ラッシュ”なんて呑気なことを言ってはおれない。福田首相の欧州歴訪は断念、他の閣僚の外遊計画も変更となった。衆参両院議員に一斉に禁足令がかかっている。
そうなると民主党は一本調子の突っ張り路線だけでは心もとない。山岡国対委員長は福田首相に対する問責決議案を参院で可決して、衆院を解散に追い込むと勇ましい。だが与党は法的な拘束力がない問責決議は無視するといっている。
そうなりゃ衆参両院で全面的な審議ストップをかけるしかない。旧社会党の時代には野党の衆院議員が議員辞職して解散に追い込む戦術まで俎上に乗った。玉砕戦術をとる様になったら戦争には負ける。
洞爺湖サミットを控えた福田首相が、国会混乱を理由に解散・総選挙をやっている余裕はない。国際的な物笑いになるからである。ここは辛抱!辛抱。
山岡強行路線に対して鳩山幹事長は、審議拒否が長期化すれば、民主党に国民の批判が向いてくると慎重論を唱えている。相手の出方を読んでいるから一本調子ではない。
もともと今の民主党は鳩山兄弟の肝いりで作った自負がある。山岡氏のように途中から自由党系で加わった”突っ張り屋”の勝手にはさせない気持ちが強い。党内的にみれば鳩山氏の方が多数派である。
山岡流では”千日手”になる公算がある。いずれは民主党が方針転換を迫られる。喧嘩上手の小泉さんは、その辺りを読んでいる。
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