1781 民主、問責決議を先送り 古沢襄

読売新聞によれば民主党は福田首相に対する参院の問責決議を先送りすることになった。鳩山幹事長の唱えていた良識的な戦術で妥当なものであろう。強硬論に流されて問責決議を行い、与党から無視されれば国会審議をストップせざるを得ない。
最初はそれでよかろうが、振り上げた拳を下ろす理屈がつかない。エンドレスの審議拒否が続けば世論から批判を受けるのは必定である。鳩山幹事長は世論の支持が得られない問責決議には疑問を呈していた。
福田内閣を解散や総辞職に追い込むのなら国会審議の中で追及の火の手をあげるべきであろう。審議拒否をして遠吠えしていても、戦術的には愚策の最たるものになる。旧社会党のように万年野党に徹するのなら、それでもよいが政権交代を目指すのなら取るべき戦術ではない。
<福田首相に対する問責決議案について、民主党が提出を先送りする方向となった。
ガソリン税の暫定税率を復活させる税制関連法案を与党が30日に衆院で再可決すれば、すぐにも提出することを検討していたが、民主党内で「国会審議を長期間拒否せざるを得なくなり、世論の批判を受ける」との慎重論が強まった。
民主党幹部は24日夜、「小沢代表は『問責提出のタイミングは30日だけではない』と言っている」と述べ、提出時期を幅広く探る意向を明らかにした。
提出を主張していた菅代表代行も記者会見で「衆院解散を求めるという趣旨に沿ってどういう行動が最も効果的かの観点から判断したい」と述べた。
問責決議は法的拘束力がなく、首相は解散に応じない構えだ。民主党内から「問責決議案は軽いものではない」(輿石東参院議員会長)などの意見が出ており、「菅氏も先送りに傾いた」と受け止められている。
今後、与党が道路整備費財源特例法改正案の再可決を検討している5月12日などの時期の提出を判断することになりそうだ。
27日には、自民、民主両党が総力を挙げる衆院山口2区補欠選挙が投開票される。民主党内には「補選で敗れれば、党内に衝撃が走る。そうなれば、問責決議案を提出せざるを得ない」との声がある。
一方、民主党は問責決議案提出を先送りする場合、今後10年間のガソリン税収を道路特定財源に充てる道路整備費財源特例法改正案の対案を参院に提出する検討に入った。同案に「2009年度から一般財源化する」とする政府・与党方針の趣旨を盛り込む内容となる見通しだ。自民党内に同様の法案修正を求める意見があることから、国会審議を通じて、与党を揺さぶる狙いがあると見られる。(読売新聞)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(4月20日現在1782本)

コメント

タイトルとURLをコピーしました