盧武鉉時代に冷え込んだ米韓関係だったから、日韓関係も良くなかった。李明博大統領の訪米、訪日は新しい関係を再構築する意味で成功したと思う。それを韓国の国内、とくに知識人はどうみているのか?
朝鮮日報が金聖翰教授、尹徳敏教授、キム・イリョン教授の三氏の見解を掲載している。
「韓日関係の修復によって、韓中関係が悪化するようなことはあってはならない。(金聖翰教授)」、「在韓米軍に関し、現状を維持することを公開の場で明らかにしたものと言える。(尹徳敏教授)」、「韓国の歴代政権は、発足当初は未来志向的な態度を取っても、次第に国内の政治的な問題を背景に、反日的な発言を連発することが多かった。李政権が歴代政権のように急に韓日関係を冷却化させるようなことをしないよう望む。(キム・イリョン教授)」・・・の発言は興味がある。
◆外交安全保障研究院の金聖翰(キム・ソンハン)教授
安全保障の要といえる韓米同盟をグレードアップできたことを評価したい。韓国が米国製の兵器を購入する際、「北大西洋条約機構(NATO)プラス3(日本、オーストラリア、ニュージーランド)」のような最恵国待遇を受けられるまでに地位が向上したことが代表的な証拠だ。ただ一つ残念だったのは、日程の調整を急いだため、ローマ法王やイギリス首相の訪米と日程が重なり、米国の一般市民の間では韓米首脳会談があったことを知らない人も多かったということだ。
一方、韓日首脳会談では、過去にこだわらない未来志向的な関係の構築について再確認し、「実利外交」にふさわしいものとなった。だが、韓日関係の修復によって、韓中関係が悪化するようなことはあってはならない。
◆外交安全保障研究院の尹徳敏(ユン・ドクミン)教授
韓米関係、韓日関係ともに、傷ついた信頼関係を回復するための契機となった。米国とは21世紀にふさわしい戦略的な同盟関係を構築していくことで合意し、また日本とも新たな時代を築いていくことで一致した。これまで、北朝鮮の核問題に関し、米国が初歩的な段階の申告を受け入れたことで、事実上核開発を黙認したのではないかという懸念が広がっていた。
だが、今回の韓米首脳会談で、北朝鮮の核廃棄について両首脳の意見が一致した。また、在韓米軍が一方的な再編の動きを見せたため、韓国の安全保障に悪影響が及ぶのではとの懸念の声も高まっていたが、米国は今回、韓国の立場に配慮する姿勢を見せた。在韓米軍に関し、現状を維持することを公開の場で明らかにしたものと言える。
◆成均館大のキム・イリョン教授
韓米同盟をグローバルな同盟関係に発展させるきっかけを掴めたことが最大の成果といえる。だが、その合意内容には抽象的なものが多い。実現したというものではなく、今後解決していくべき課題に関する原則についてのみ合意したものだ。もちろん、外交においては抽象的な原則も重要であるため、一方的に非難すべきではない。一方、韓日関係については、「過去を引きずっていては未来を切り開けない」という原則を明らかにした。
これは韓国が譲歩したことで、日本も何かを示して欲しいというメッセージにも聞こえる。韓国の歴代政権は、発足当初は未来志向的な態度を取っても、次第に国内の政治的な問題を背景に、反日的な発言を連発することが多かった。李明博(イ・ミョンバク)政権が歴代政権のように急に韓日関係を冷却化させるようなことをしないよう望む。(朝鮮日報)>
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