1783 アフリカに武器売却の中国 宮崎正弘

中国製武器満載の貨物船、ジンバブエへの荷揚げをあきらめた?北京政府、世界の抗議を前に「珍しく」撤退宣言。
本当に帰路についたか、どうかは今後の偵察衛星が観測する。
ジンバブエの独裁者ムガベに大量の武器を供与しようと中国船がダーバン港に接岸、南ア政権はこの陸揚げを拒否した。
「これらの武器がムガベ(ジンバブエの独裁者)の手にわたれば反対派弾圧の、致命的な武器として使用される懼れがあった」(ヘラルドトリビューン、4月25日付け)。
そこで中国船は、ケープタウンを迂回し、ナミビアに向かっていたが、世界のマスコミ、人権派、環境擁護団体、ダルフール活動家、チベット民主化運動が猛烈な批判運動を展開した。
北京政府は24日に記者会見し、「この武器の注文はムガベの選挙前であり、今回の問題と関係はないが、陸揚げを拒否されているので、いったん中国へ帰る」と表明した。
ただし「ジンバブエは武装する権利があり、テロリストから身を守る必要がある」と武器輸出の合法性を認めた。反対派はチベットの僧侶もウィグルの民主活動家も、みんな「テロリスト」扱いする癖はちっとも直っていないようだ。
中国は、そう言ってしばらく時間を稼ぎ、西側の観察が薄くなったタイミングを見計らって、アンゴラあたりに陸揚げする懼れが残る、とみる軍事専門家もいる。
「しかし、北京五輪をひかえ、ただでさえスーダンのダルフール虐殺問題で中国がハルツーム政権に武器を供与したとして猛烈な批判に曝されたばかり。八月、九月の五輪直前にふたたび非難をかぶるような行為は控えるのではないか」(前掲ヘラルド紙)。
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