1803 眠る日本、狙う中国(1) 平井修一

「我にも正義、彼にも正義」で、論争していても全然ケリがつかいないから皆、結局は戦争で物事を決着してきた。
戦争以外の「話し合い」で紛争が決着したケースは少なく、多くの紛争は外交の延長としての戦争で決着した。
我が国の近世、近代史を見れば、関が原、大阪の夏の陣と冬の陣、明治維新、大東亜戦争。すべて戦争で解決した。
ソ連がこけたのも「宇宙戦争では米国には勝てない」とソ連が思い知らされたからで、米国は「冷戦」でソ連を寄り切ったのだ。軍事力と経済力でソ連を粉砕した。
小生は、スピッツのように中国共産党にキャンキャンと吠えてている。水平線の果てからひと咬みしている。中共にとってその吠えは痛くも痒くもないのである。
ところがそれがネットで同調を得れば、百万人、千万人、数億人が咬みつくことになる。聖火リレー騒動で世界は中共許すまじという基調になった。
中共はタガが緩むかもしれない。いい方向へ中共も日本もぐらっと歴史の歯車が動くかもしれない。
5月3日、憲法記念日。小生は弔意を示すために日の丸に黒い布を添えた。90歳を迎える母が聞く。
「誰か亡くなったのかい?」小生答えて曰く、「ニッポン」。
生きているうちに日本を再生したい、その端緒でも見てみたい。そんな思いを込めて情報発信している。
以下、本題である。
前回の投稿に続き、2008年2月27日の米中経済安保調査委員会での「国家主権とアクセス制御についての中国の見方」をテーマとした証言では、米国海軍軍事大学のピーターA.ダットン准教授(中国海事研究所)の分析もとても興味深いので以下全訳した。
・・・・
論旨(サマリー):
中国は沿岸諸国と国際社会での海洋利権についての伝統的なバランスを変えようとしている。特に排他的経済水域に関わる問題で、中国の主権を強化・拡大しようとしている。海洋利権のバランスを変える中国の狙いに対してアメリカは以下の措置を講ずるべきである。
* 信頼を構築するために米中軍事交流を促進する
* 中国が国際的なシステムの利点と同様に国際的な義務を受け入れなければならないという期待を伝える
* 沖合と空域で米国は国際的な権利を行使し続ける
* 国際社会に属している海で、法的自由の維持に努める
* 東アジアでの海軍力の維持に努める
本文:
さて、中国は主権、特に中国自身の主権をどのように見ているのでしょうか?
中国は、歴代王朝がアジアとの関係で演じた歴史上の役割をよく知っています。現代の国際関係について中国の学者は、隣人の繊細な感受性を認め、中国の台頭はかつての王朝のような「朝貢と帝国」というような主権システムを再確立するものではない、と非常に注意深く説明します。
中国の学者や解説者は一様に、中国とその隣国の間における現在の領土摩擦、特に海域での摩擦は、「西洋の植民地化の残滓であり、伝統的な中国の統治システムを強制的に西洋の主権システムへ交換したためだ」と非難しています。
ある学者がはっきりとそれを書いています。「あなたのもの」と「私のもの」についてのアジアでの多くの意見の相違と論争は、西洋の世界観がもたらしたもので、それがアジアを阻害している、と。
そうであっても、今は中国はその西洋の世界観に従った道を歩んでいるように見えます。中国の優位性を、昔の(朝貢外交のような)アジア風に再確立することは考えていないにせよ、中国の優位を現在のアジア秩序において確立したい、少なくともそれを目指したい、と。
中国は、その昔は隣国に対して「従属」という古代システムを強制しましたが、今はその代わりに、経済と政治のつながりという「ソフトパワー」を使ってアジアの隣人を、この新しい中国の秩序に結びつけようとしています。
この新しい中国式秩序を進めるにあたって、中国が急速に強化している軍隊の役割はなんなのか。中国は「平和的共存のための5つの原則」を語りますが、その隣人は用心したままです。
特に中国のオピニオンリーダーが「中国によるアジアの統合がアジアに真の平和と繁栄をもたらす」と語っているだけに懸念があります。
将来のアジアの秩序に対するこの発言は、中国について疑念を残しますし、それは(日本など)中国近隣諸国とアメリカにとって、対中関係構築への新たな課題(言葉を代えれば挑戦と機会)を提示しているでしょう。
多くの面において中国は現在の国際的システムを基本的に受け入れたと認められます。中国は現在、経済と政治において「共通利害者」です。
その台頭は世界的な経済的、政治的な秩序と統合した結果です。そのように、主権に関する中国の見解の多くは国際社会と普遍的共通性があります。
人民解放軍の国際法のテキストは、欧米のテキストと共通の語で国家と主権の概念を説明しています。
それにもかかわらず、東シナ海と南シナ海における領有権を中国が正当化する理由は、しばしば現代以前のアジアの秩序に言及し、それをもって現在の中国の領有権の主張を支え、確立しようとしています。
これらの主張は、現代の国際法によれば、その多くは根拠が薄弱なのですが、中国はその主張をもって隣国と大きな摩擦を引き起こしています。
南シナ海の南沙群島に対する中国の領有権は、たとえば、1000年以上前に発見したとする証拠に基づきます。
しかし、第2次世界大戦後に中国は今の主張を開始しましたが、過去の数世紀の間、中国が占領または実効的管理・支配をしたという証拠はありません。
同様に、中国は東シナ海で尖閣または釣魚島諸島に対する領有権を主張してい ますが、その根拠は、主に明朝時代から朝貢外交をしていた琉球王国への往来で中国人が見聞したことを記した歴史記録であり、そこに「海賊行為を抑える努力をした」との記述があるだけです。
私は、中国の主権の多くは中国の主張によって強化され、それは国際的な考えを反映していると思っていますが、中国が現在の(パワーゲームの)モデルに代わるものから利益を得ようとするならば、アジアの前後関係、脈絡の範囲で、その長い歴史に沿って行われるべきでしょう。(つづく)
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