ヒラリー・クリントン候補はどうやら「崖っぷち」にある。オバマ候補との得票差は小さいものの縮まらずに逆に開いているし、「ヒラリー候補は早めに降板してオバマ氏に一本化すべきだ、さもないと共和党のマケイン氏に勝てない」と身内の民主党からも声が上がっている。
ヒラリー氏の公式サイトに閲読登録して以来、ヒラリー氏から時折メールが届くようなったが、「最後の4週間を戦い抜く」「最後まで戦わせてほしい」と支援を訴え続けている。以下、ヒラリー氏からのメールを訳す。
<5月8日、Dear Shuichi,
今日、あらゆる方法を通じて、私はこの選挙キャンペーンを進め続けるという私の決意を表明します。
インディアナ州での私たちの逆転勝利の後、最後の投票までちょうど28日間です。この4週間はこれまで以上に関心が高く、これまでにない短期決戦になります。
私の側にいるあなたとともに、私はあらゆる有権者が判断を下すまで、私が信じるもののために戦い続けるます。
選挙キャンペーンのまさしくその始めから、あなたと私はお互いに期待しました。そして、あらゆる挑戦を通して活動し、あらゆるチャンスをつかみました。それは私たちのキャンペーンを前進させる方法であるのみならず、アメリカを前進させる方法なのです。
選挙戦の最後の4週間に入るので、私たちの気持ちを高めましょう。
私たちの選挙キャンペーンをさらに前進させるために、今すぐ支援してください。
6日間で、私たちにはウエストバージニア州で強さを示すチャンスがあります。あなたが私と並んで立つならば、私はそのチャンスを最大限に活用するつもりです。
疑問の余地なく、私たちは次の28日間の日々でチャンスを活かし続けなければならず、それは今日から始まっているのです。
今すぐに支援してください。そしてともに勝ち続けましょう。
私たちが何度もお互いを言ったように、楽しい日もそれほど楽しくない日もこのキャンペーンの間にはありました。しかし、私たちがお互いを信頼できない日は1日たりともありませんでした。
投票まで最後の28日間に入り、私はあなたが持てるすべてを与えてくれることを知っています。そして、あなたも私が同じようにするということを知っています。
そのような素晴らしい友人と協力に感謝します。Hillary Rodham Clinton>
この翌日の5月9日、Bill Clinton の送信者名でメールが来た。スパム(迷惑)メールだろうと削除しようと思ったが、もしかしたらと開いてみるとヒラリー氏のご主人からだった。
<Dear Shuichi,
私が月曜日(5月5日)に過ごした一日についてお話したいと思います。私はノースカロライナ州の9つの町に立ち寄りました。エリザベスシティで午前7時30分に一日を始めて、ラーレイで集会を終えました。
これは、私が一日にこれまでに経験した選挙キャンペーンでも最多の遊説です。そして、私はヒラリーのために一生懸命に動いてきましたが、この一日ほど満足した日はありませんでした。
私はその日多くの人々と話をしましたが、非常に明瞭だったのは、すべての有権者が投票するまで、人々はヒラリーがこの選挙レースにとどまることを望んでいるということです。
だからこそヒラリーと私は一生懸命に戦っています。だからこそ私たちは選挙運動を続け、戦い続け、勝ち続けるために頑張っています。
私たちはこの選挙キャンペーンで多くの成功を得ました。インディアナ州での我々の逆転勝利は、あなたの支持を得ればヒラリーが勝つという最新の例を示しています。あなたが勝利への彼女の努力をともにする限り、この選挙レースは続いていきます。
私たちの次の試練は、ちょうど5日後にウエストバージニア州で行なわれます。ヒラリーは勝ち続けるために、今こそあなたの支援を必要としています。
私たちのキャンペーンの強さを示すために、今すぐに支援してください。
あなたの支援がなければ逆転勝利はどうなるのか、私もヒラリーも知っています。このキャンペーンの過程で専門家は何十回となく戦いの早期終結を宣言しようとしました。
ところで、私の最新チェックによれば、選挙はまだまだ有権者次第です。まだ投票していない多くの有権者がいます。
私たち次第で、ウエストバージニア州など残りの数州の有権者が候補者を選択できることになります。ヒラリーが戦い続けるのを支援するためにあなたの行動が必要なのです。
今日支援をすることによって、あなたの支持を示してください。
私は、ヒラリーのために一生懸命に働いてくれたすべての人々に、彼女のためにしてくれたすべてに対して感謝したいと願っています。あなたは私たちにとってかけがえのない存在です。彼女は、あなたの尽力と不屈の精神に支えられています。Bill Clinton>
そして10日になるとヒラリー夫妻の愛娘のチェルシーさんからメールが来た。
<Dear Shuichi,
あなたと私はともに、私のママが偉大な大統領になるだろうと承知しています。私は自分が8歳、18歳、28歳の時に想像することができた最高のママを持てて幸せです。「母の日」はもうすぐです。私はママの2、3の思い出をあなたと分かち合いたいと思います。
見てください。(クリックすると若いヒラリー氏に抱き上げられて喜ぶ幼いチェルシーさんの写真)
私がとても誇りに思うママへのあなたの支持に感謝します。
幸せな「母の日」をお迎えください!Chelsea>
もう一家総出の選挙戦だ。必死の形相で追撃するヒラリー氏。ライト牧師を切り捨てて逃げ切りを図るオバマ氏。マケイン氏と一騎打ちするのはどちらか。民主党レースは第4コーナーを回ってゴールまで一直線だ。手に汗握る選挙戦。目が離せない。
<オバマ氏、特別代議員逆転 クリントン氏の牙城崩れる
【ワシントン9日共同】ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)など複数の米メディアは9日、大統領選の民主党候補指名争いで、オバマ上院議員の獲得した特別代議員数が、ヒラリー・クリントン上院議員を初めて抜いたと伝えた。クリントン氏は「最後の牙城」だった特別代議員も切り崩され、逆転勝利は一層厳しくなった。
特別代議員は党幹部や知事、上下両院議員ら794人で構成され、予備選や党員集会の結果にかかわらず、支持する候補を決めることができる。
クリントン氏は、予備選・党員集会で得られる一般代議員数でオバマ氏に追いつくのは事実上不可能になっており、特別代議員の支持取り付けが命綱だった。
しかし、オバマ氏が6日のノースカロライナ州予備選で圧勝し、インディアナ州では敗北したものの接戦を演じた後、態度を明らかにしていなかった特別代議員が続々とオバマ氏支持を表明。クリントン氏支持から乗り換える代議員も現れた。>【共同通信】
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(5月2日現在1814本)
1819 クリントン家「最後のお願い」 翻訳:平井修一

コメント