日本にとって重要なのは胡錦濤来日のニュースではない。北朝鮮をめぐる米朝の動きが風雲急を告げている。ロイターはワシントンから米国務省が「北朝鮮の核開発文書の提出を”重要な最初の第一歩”と受け止めている」と伝えてきた。
総理官邸も外務省も米国務省の動きに神経をとがらせているのであろう。福田首相はワシントン・ポストとのインタビューで「核とミサイル、拉致は3点セットだ」と述べた。米国が安易な妥協に走らない様に米メデイアを介してけん制したのだが、前のめりになっている米国務省に効き目があるのだろうか。
その意味で次の二つのニュースは重要と思われる。下手をすると日本の意に反して米朝和解のシナリオが一挙に進む可能性があるからだ。その時になって慌てても遅すぎる。
<[ワシントン 10日 ロイター]米国務省は10日、核開発計画に関連して北朝鮮から8日に提出された文書について、1986年までさかのぼった兵器級プルトニウムの生産プログラムの詳細な記録であると発表、核計画の完全な申告に向けて「重要な最初の一歩」だと述べた。
同省は発表した資料で、1万8000ページにわたる同文書には、核兵器開発のためにプルトニウムが生産された3つの主要な時期について書かれていると説明。北朝鮮が当初の期限である昨年末までに核計画の申告を行わなかったことに触れ、さらなる情報開示を求めた。
米国務省は同文書について「徹底的な調査」を行う意向を示した。(ロイター)>
<核問題に関する米国と北朝鮮の協議が進展した場合の日本の対応について、福田康夫首相は「拉致を解決しないで関係を正常化したいというのは、北朝鮮にとって決して良い状況ではない」と述べ、拉致問題を置き去りにした形で米朝協議が進むことを強くけん制する姿勢を示した。米紙ワシントン・ポストとの11日までのインタビューで述べ、「核とミサイル、拉致は3点セットだ」と強調した。(共同)>
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