1872 四川大地震の復興で5000億人民元 宮崎正弘

四川省大地震の再建に5000億人民元(7兆5000億円)。初年度国家財政出動700億元だけは決定、しかし将来の財源は示せず。
四川省の災害による実損は1500億元と見つもられた。
復興資金には合計5000億人民元が必要と当局の計算がなされ、初年度の国家財政からの出動700億元だけは確保された(多維新聞網、25日付け)。
国務院には地震対策チームが発足した。復旧の第一は交通網(鉄道、高速道路)、電話網(携帯の中継局を含める)、電力と水道。とくに電力はダムが損壊して四川省内の電力は完全に不足している。
 
水道も疫病の発生が伝えられ、再建が急がれるがまったく見通しは立っていない。復旧の第二は役所、学校の建設などだが、これには地方自治体が債券発行などにより調達する計画、また民間ならびに国際的な援助を頼みの綱にしている。
当面は救援作業の継続であり、物資の整理、均等の分配のための監査も必要。
同時に医療チームと病院の充実、多省の病院への搬出、仮設住宅の建設なども急がれている。
というわけで復興に必要な資金は5000億人民元(7兆五千億円)と見積もられる。財源の見通しが立たず、いったい神戸の再建はどのようになされたのか、という質問が当局に集中しているという。
神戸震災の再興費用は24兆円(当時の日本のGDPの2・5%に相当した)。
中国のGDPの3%相当額が、5000億人民元。残り4300億元の資金に関して、具体的計画はない。
それにしても「中華」「愛国」大合唱の中国で五輪開催の秒読みが始まってからというもの、SARS、AIDS、鳥インフル、そして昨年は大洪水被害に株式、不動産の暴落。ことし二月の大雪、三月のチベット、さらに大地震ときた。
 
孔子は『中庸』に書いた。「国家将に興らんとするや必ず禎祥(ていしょう)あり。国家将に滅びんとするや必ず妖孽(ようげき)あり」
(国が興隆しようという時には人々も世の中も活力で満ち溢れ、国が滅亡しようとする時には不吉な前兆がある)。
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