1873 NGO疑う人民解放軍 宮崎正弘

人民解放軍が、救援NGO活動を妨害。即席NGOに反政府団体やスパイの疑いを抱く軍のメンタリティ。
四川大地震の救援活動が各地で展開されている。
中国のメディアは、「犠牲者の一割が小学生などで、学校の倒壊原因は手抜き工事、エリート校は幼稚園でも崩れなかったのに」(NYタイムズ、26日付け)などの暗部をえぐる記事は一切掲げず、ひたすら救援活動のことばかりを報道している。
「中国人の心はひとつになった」というアングルの情緒的、同情をあおる書き方は、共産党中央がマスコミに指令している。
18日からの三分間の黙祷と国家を挙げての喪に服す行事は、じつに十一年前のトウ小平死去いらい、なかった。
英誌『エコノミスト』(5月24日号)は、救援に向かうNGOが、各地で足止めされ、とりわけ即席の小さな団体を反政府組織の偽装ではないかと疑っている実態を報じている。
 
テントや救援物資が公平に分配され、外国人医療チームが精神のケアにあたり、ボランティア団体と軍の絶妙な共同作業が全面に報じられるばかりで、舞台裏の出来事を隠蔽しているようだと示唆しつつ同誌は続ける。
 
『政府が認定済みのNGOの活動だけをマスコミが伝えているが、政府がまだ認定していないNGO団体を反政府団体の偽装と疑っており、活動には多くの支障がでている』と。
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