平沼新党・・・平沼赳夫氏が総選挙の前に新党を立ち上げるという噂が永田町に駆けめぐっている。29日に超党派の保守系地方議員らのグループ「日本国民フォーラム」が設立総会を開くが、フォーラムの最高顧問になる平沼氏が記念講演をすることから、フォーラムが平沼新党の母体になるという見方がでている。
保守系の地方議員約100名や有識者・市民が中心となり、代表には米田建三・帝京平成大教授。自民、民主両党の中堅・若手国会議員約20人が顧問になる。これだけでは新党と呼ぶほどのものではない。次の総選挙は東京など大都市圏での勝敗が決め手になるといわれているだけに、地方議員主体の新党では迫力に欠ける。
新党を結成するにはカネがかかる。十年以上も前のことだが、今の民主党の結成にかかった費用は二十五億円といわれたものだ。鳩山兄弟が十五億円、連合が十億円の貸付金を捻出したという噂がもっぱらだった。
政治資金の調達力がある平沼氏とても、個人の力では新党立ち上げの資金は難しい。民主党のように連合のような大組織の支援も見込めない。それでも平沼新党の噂が絶えないのは、少数政党が多数政党を牛耳る時代に入ったからであろう。
今の福田政権は公明党の支持がなければ成り立たない。小沢民主党が総選挙で勝利して政権を握っても、参院では単独過半数を持っていないから、共産党や社民党の支持が必要になる。
いっそのこと民主党が共産党や社民党と同じ路線まで左旋回すれば、政権が安定しそうなものだが、それでは党内の保守系議員が造反する。政権を取ったらとったで、民主党も苦しい舵取りに迫られる。
「日本国民フォーラム」に民主党の中堅・若手議員が加わっているのは、そういった先行き不透明なことがあるからだろう。結局は政権交代よりも政界再編成の時代に向かうのではないか。保守と革新が判然と分かれた政治図式の方が国民の目には分かりやすい。
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1882 「日本国民フォーラム」の立ち上げ 古沢襄

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