日本名の国際緊急援助隊が四川省の被災地に乗り込んで4日が経ったが、中国政府の方針がはっきりしていないこともあり、特殊技術の都市型災害の対応でないこと、時間がかなり経過していることもあり、なかなか生還者を助け出すことができず厳しい救助活動を強いられている。
しかし、現地の人々には寝食を忘れた精力的に救助活動、とくに残念にも生還できなかった遺体に対しても心を込めて手を合わせる姿など、感動の渦が沸き起こっているという。少なくとも政府ではなく、国民にとっては反日・愛国教育をされたからといって、実際に眼前で自分たちを利害打算なく救おうとしている必死の日本隊の姿に心から感謝していると思う。その証拠にマスコミの報道が早かったこともあり、日本隊の真実の姿をそのまま伝えており、ネット世界でも概ね、好意的であるようだ。
日本政府は負傷した被災者の治療に当たるため、新たに20人規模の医療チームの派遣を決定した。
しかし一方で人民解放軍や武装警察は、そのような日本隊の活躍に内心、忸怩たる感情もあり、「早く帰ってほしい」という姿勢を示している。この国の政府、官はここまで人命が失われてもなお、面子にこだわっている。また胡主席も自ら現地入りすることによって、いかに政府が国民を救助しようとしているか、その姿を前面に出そうとしている。
また中国全土では募金活動が過熱化し、国営中央テレビが18日に放映した募金特別番組「愛の奉献」では企業や著名人の献金を実況、日本円で 225億を集めたが、金額で人の良心を測る風潮に拍車をかけているという。
かと思えば、地震発生から1週間たった19日午後2時28分には中国全土で3分間の黙祷、車の警笛、防空警報のサイレンが各地で響き、北京市民も歩道で犠牲者を哀悼する姿が見られるなど、小生は中国にもこのようなことが行われるのか、驚かされた。災害規模はどの位であるのか、二次災害-人災、伝染病などいろいろと考えられようが、この一週間だけも中国政府と国民のありようを世界は見ることができたのではなかったか。
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