今年最大級の暴動は貴州省へ飛び火した。党幹部の横暴に民衆は公安ビル焼き討ちで応酬、市街戦の様相。
中国語圏の新聞各紙が伝えた。
6月28日、貴州省甕安(おうあん)県で15歳の少女が強姦された挙げ句に殺された。
それ事態は珍しい事件でもないが、地元公安局の処理が公平を欠き、犯人が共産党幹部の関連者だったのに、すぐに釈放されたため、抗議の輪が数万人に膨れあがり、暴動となった。
軍と警察が出動、銃撃により1人が死亡、200名が拘束されたという。
当該公安は、少女が強姦され、殺害されて川に投げ込まれた真相を伏せて「少女は自殺したのだ」と家族に説明したため、納得せず、地域住民に怒りが広がった。
博訊新聞網(6月30日)によれば「抗議行動は市内繁華街の幹線道路を埋め尽くし、およそ十万名が怒りを露わにした。
パトカー十数台もひっくり返されて焼かれた」と伝えている。
この暴動は公安局ビルを焼き討ちしたため、鎮圧に出動した軍と警察が1500人の規模に及んだ。
催涙ガスを撃ち込んで民衆を蹴散らし、その過程で発砲したらしい。
「このような不公平な政府のもとで、我々は忍従の生活を余儀なくされ続けるのか。この独裁政権の下では、我々は能力を発揮することさえ出来ず、団結とか中華統一とかの寝言を聞いているだけ。中国政府が十三億国民の代表だ等と僭称するのはやめろ」(博訊新聞にでた「棹紅軒主人」という筆名の投書)。
甕安県は人口約44万人。ミャオ族が多い。
貴州省で数万人の暴動、公安局のビルを焼き討ち
http://www.dwnews.com/gb/MainNews/Forums/BackStage/2008_6_28_18_3_31_204.html
(貴州省甕安県での暴動、公安ビル焼き討ち事件の写真 ↑)
http://www.peacehall.com/news/gb/china/2008/06/200806300254.shtml
(同県公安局の緊急通達の写真 ↑)
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1976 貴州省で市街戦の様相 宮崎正弘

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