若い頃、記者(NHK)を20年ばかりやったが、警察や検察を担当した事は全く無い。大学も法学部とはいえ政治学科だったから刑法や刑事訴訟法は読んだ事も無い。
政治記者だったが、担当する政治家が逮捕されたり起訴されることも無かったから、こういう片輪な人間が出来上がってしまった。
ところが今年(2008年)は以前、17年間も理事長を務めた社団法人の日米文化振興会が最近社団法人日米平和・文化交流協会に名称変更され、専務理事の秋山直紀氏が防衛不祥事の関係者に浮上しているというので、なぜか私がマスコミに追い回された。
秋山氏の素性を知っている人が私しか居ないのでというのが理由だったようだが、私も実はあまり素性を知らないし、事件の背景にいたってはまるで知らない。
そこで秋山氏を一時は捜査対象にしたらしい東京地方検察庁特別捜査部(とくべつそうさぶ)とは、如何なる存在かを改めて勉強した。
ここは日本の検察庁の一部門であって、特別捜査部(通称特捜部)は東京・大阪・名古屋の各地方検察庁に設置されている。
独自の捜査権限を有している検察庁の中でも、大規模事件など、集中的に捜査を行う必要がある案件に取り組む機関として存在している。検事(副検事)のほかに検察事務官により構成されている。
検事や検察事務官は東大ばかりではなく、中央、明治といった私立大学出身者もかなり目立つ。特に検事は司法試験さえ通っていればいいからだ。
戦後、東京・大阪の2特捜部態勢が続いていたが、1996年に名古屋地方検察庁にも特捜部が置かれ全国で3特捜部の態勢となっている。
政治家汚職、大型脱税、経済事件を独自に調査する。なお、3地検以外の地方検察庁にもこれに準じた部署として特別刑事部が置かれている。
1947年(昭和22年):東京地検で特捜部の前身「隠匿退蔵物資事件捜査部」、通称「隠退蔵事件捜査部」が発足。
1957年(昭和32年):大阪地検特捜部が発足。
1996年(平成 8年):名古屋地検特捜部が発足。
東京地方検察庁特別捜査部、通称「東京地検特捜部」は現在総勢 検事38名、副検事3名、検察事務官84名
特別捜査部長(部長:検察官)
特捜事務課(課長:検察事務官)
特捜資料課(課長:検察事務官)
特殊直告第一・二班(責任者は検察官たる班担当副部長)
財政経済班(責任者は検察官たる班担当副部長)
汚職#主な汚職事件のうち、1947年(隠退蔵事件捜査部発足)以降のものを掲載。
歴代特捜部長氏名 在任期間 主な手掛けた事件 出身校 後職 隠退蔵事件捜査部長
1 田中萬一 1947年11月 – 1948年1月(心得、兼任渉外部長)中央大学 最高検刑事部長
2 山内繁雄 1948年1月 – 1948年7月 昭和電工事件 最高検検事 特別捜査部長
1 福島幸雄 1949年5月 – 1950年1月 炭鉱国管疑獄
3 山本清二郎 1953年11月 – 1955年10月 造船疑獄及び造船疑獄指揮権発動、保全経済会事件、陸運汚職事件 中央大学 次長検事、大阪高検検事長
4 天野武一 1955年10月 – 1958年12月 売春汚職事件 東京帝国大学 大阪高検検事長、最高裁判事
6 河井信太郎 1961年7月 – 1965年9月 武州鉄道汚職事件、吹原・森脇事件 中央大学 大阪高検検事長 。政治記者かけだしのころ、よく耳にした名前。
7 大江兵馬 1965年10月 – 1967年4月 田中彰治事件、共和精糖事件 京都帝国大学 札幌地検検事正
8 木村喬行 1967年4月 – 1970年3月 日通事件 東京帝国大学 仙台高検検事長
11 大堀誠一 1972年6月 – 1975年1月 協同飼料株価不正操作事件、石油ヤミカルテル事件 東北帝国大学工学部 東京高検検事長
12 川島興 1975年1月 – 1978年3月 ロッキード事件 中央大学 大阪高検検事長
13 吉永祐介 1978年4月 – 1980年6月 ダグラスグラマン事件、KDD事件 岡山大学 検事総長
14 岡村泰孝 1980年6月 – 1981年11月 誠備グループ脱税事件 京都大学 法務事務次官、検事総長
15 藤永幸治 1981年12月 – 1983年1月 三越事件 京都大学 東京高検検事長
16 河上和雄 1983年1月 – 1984年11月 新潟鉄工所ソフトウェア等横領事件、新薬産業スパイ事件 東京大学 最高検公判部長 。テレビによく出演。
17 山口悠介 1984年11月 – 1987年1月 リッカー事件、撚糸工連事件、平和相銀不正融資事件、日本共産党幹部宅電話盗聴事件 東京大学 札幌高検検事長
19 松田昇 1987年8月 – 1989年9月 明電工脱税事件、リクルート事件 中央大学 最高検刑事部長、預金保険機構理事長
20 石川達紘 1989年9月14日 – 1991年1月 国際航業事件、稲村利幸脱税事件 中央大学 名古屋高検検事長
21 五十嵐紀男 1991年1月 – 1993年7月 共和汚職事件、東京佐川急便事件・金丸信巨額脱税事件・ゼネコン汚職事件 北海道大学 横浜地検検事正
22 宗像紀夫 1993年7月 – 1995年7月 ゼネコン汚職事件中村喜四郎元建設相逮捕、東京協和・安全信用二信組事件 中央大学 名古屋高検検事長
23 上田広一 1995年7月 – 1996年12月 泉井石油商脱税・関空汚職事件 明治大学 次長検事、東京高検検事長
24 熊崎勝彦 1996年12月 – 1998年6月 野村證券・第一勧銀総会屋利益供与事件、防衛庁調達実施本部背任事件 明治大学 最高検公安部長
31 大鶴基成 2005年4月 – 2007年1月 ライブドア事件 東京大学 函館地検検事正
32 八木宏幸 2007年1月―緑資源機構官製談合事件、商社及び防衛関連企業からの収賄容疑による守屋武昌元防衛次官逮捕 中央大学 。
大阪地方検察庁特別捜査部、通称、「大阪地検特捜部」。1957年4月創設。
総勢54名:部長、副部長以下検事13名。副検事3名。事務官38名。
主な事件
大阪タクシー汚職事件 関谷勝利衆院議員逮捕 (1967年4月)
阪大ワープロ汚職事件(1984年7月)
砂利石材船汚職事件(1988年1月)
イトマン事件(1991年7月)
牛肉偽装事件(2004年4月)
和歌山県知事談合・収賄容疑(2006年11月)
枚方市第二清掃工場建設工事(仮称) 官製談合 (2007年5月)
特別捜査部は汚職を取り締まるために時の政権の意向に左右されやすいと言われている。また、有罪にするために強引な捜査手法が目立つとの批判もある。出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(6月30日現在1990本)
1979 東京地検特別捜査部 渡部亮次郎

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