1980 宮里藍の帰国を再度促す 前田正晶

先頃のタイガーウッズの勝利への凄まじいばかりの集中力と、全米女子オープン・ゴルフの他国のゴルファーの活躍する場面の中継を見ていてこの考え方を再確認した。
心・技・体とよく言われているが、宮里はそのうち心と技は並ないしはそれ以上かも知れぬが、体格が著しく劣っていると思う。身体能力と言っても良いかも知れない。それは彼女の責任でも何でもない。だが、これだけは生半可な心と技や気力だけでは補いきれない。
そんなことはあるまいと言う声が聞こえそうだが、経験してみなければ欧米人との体格の差は、容易には補いきれないものであると知ることはないだろう。あの中に単身入っていって、彼らに負けないでいることは容易なことではない。
体格に差があることをご承知の向きは多いだろう。問題はアメリカでは彼らの体格とそれに基づく身体能力で全てが設計され、計画されていることだ。
これは想像以上に我々、で悪ければ、私には負担だった。彼らには何でもなさそうなことでも、私には身体ともに馴れてくるまでは結構な負担だったことを告白する。
短期間のことであれば、心と技で何とか補って彼らと対等に動くことは出来る。だが、あの広いアメリカを彼らの身体能力に負けずに動き続けた場合の負担は並大抵ではない。馴れれば良いというものではない。
しかもビジネスで動き回る場合は到着した先ですることは頭脳労働の範疇に入るが、ゴルフは時差を克服して移動した後に体力勝負の3~4日のトーナメントに参加するのである。おっと、技術も勝負の項目である。
宮里も上田も4日目にはかなり集中力の低下が見えている。低下すれば技術の欠陥が出てくるのは当然だ。そこを無視して煽り立てるマスコミには問題があると思う。あの彼ら欧米人の身体能力に対抗して移動し、尚かつ運動競技で勝負するためにはどれほどの集中力と気力が必要か、お考え願いたい。
心の中で「何のこれしき」と思っていても、心・技・体を全て平常通りに維持し続けるだけではなく、彼らとの勝負に勝たねばならないのは大変なことなのだ。
マスコミは未だに「ハングリー精神」などと言うが、常に上位に出てくるプレイヤーたちが未だにハングリーであろうか?彼らは気力と集中力を維持する力を備えているのだ。
同じ女性プロゴルファーの不動裕理は日本国内を主体に活動し、あの「体」でもすでに9億円以上を稼ぎ出していると聞く。賞金獲得を考えれば、納得できる行動基準ではないだろうか?
そう考えれば、宮里は上手い・下手の問題ではなく、あの過剰と言いたい負担にこれ以上耐える意義が何処にあるのかが解らない。
仮令マスコミが「早く1勝しろ」と言い続けても、耐えに耐えてあの広い国で生活が成り立つ程度にゴルフを楽しもうというのが宮里の選択ならば、どうぞご随意にと言うだけだ。
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