2004 中共の決意、日本の不作為 平井修一

3人の子供と母を入れて6人暮らしだったのが、次女が結婚し、末っ子の長男が寮に暮らすようになったので4人暮らしになってしまった。家はずいぶんとひっそりとし、広く感じる。
愚息の部屋はカミサンの韓流ドラマ鑑賞室兼寝室になっているが、そこには以前同様に大きな世界地図が壁に貼られている。愚息の就職試験勉強の残滓で、本人なりに大変だったんだなあと思う。親として感慨深いものがある。
その地図で東アジアを眺めると、中国は東と南が海に面している。それを万里の長城のように取り囲んでいるのが日本列島で、北海道、本州、九州、さらには種子島、屋久島、奄美大島、沖縄、尖閣諸島が砦のように連なっている。その先は台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシアである。
「中国の海」と呼べるのは渤海と黄海ぐらいで、それから先の東シナ海、南シナ海、太平洋、インド洋へ出るためには、仲良しのお友達とはいえない国々の領海や排他的経済水域を通らなければならないから、中共にとっては結構悩ましいはずだ。
外洋において共産主義独裁国家は中共だけで、ピンクのベトナム以外すべて多党制の民主主義国だから、このエリアで軍事的優位性を確立するのは簡単ではない。
特に日本は中共にとって強烈な壁、バリア、障害物になっている。自国の東南方面、大洋への出口を両手でグッと押されている感じだろう。相撲で言えば両手(もろて)突き。小生が中共の幹部なら当然、日本を仮想的とするだろう。
遅浩田・元中国国防長官の2005年8月の有名なスピーチ。
<中国の発展を受け入れられず、中国の近代化を妨げるのは、列強、特に日本の不変の国策である。
このことに関して最も痛切な歴史教訓がある。国と国の間に協力関係はありうるが、もっと本質的な関係は、競争、衝突および衝突の極端な形式――戦争である。
協力は一時的なことで、条件付きのことである。競争と衝突は、絶対的なことで、歴史の主軸である。「平和と発展が現代社会の主題である」という言い方は、完全に間違っている(せいぜい一時的な謀略である)。
この言い方は、検証できる理論根拠もなければ、事実と歴史の経験にも符合していない。中日両国は、地理的にも、歴史的にも宿敵関係であることは言うまでもない。
もし我々が台湾海峡での戦争を勝ち取ることができなければ、その結果は、甲午戦争(日清戦争)よりもさらに惨めになる。それを避けるには、戦争が起きたら、日本を全面壊滅させ、米国を機能麻痺させなければならない。この目的を達成するためには、核を使うしかない。
善を求めて悪に報われたら、以上に述べたことが、我々の政策の最終的なシナリオである。全面的に日本を潰し、米国を機能麻痺まで叩き潰すしかない。台湾問題は10年も引き伸ばすことはできない。10年以内に必ず大戦がある! >
朱成虎少将の国防大学での2005年7月のスピーチも有名だ。
<我々は地球上での覇権を得るため先制核攻撃により中国以外の人口を減らすと共に自国の人口を温存させる事に力を注ぐべきで、この核戦争後に我々が未来永劫に地球を支配するようになるだろう>
中共からすれば以上の発言は本音で、本音を言えば外交上まずいから遅浩田も朱成虎も公の席からは排除されたと聞く。
せっかく本音を聞いたのだから、日本はせっせと防備と覚悟を固めなければならないが、お友達・仲良し至上主義の福田総理では、恫喝されただけで引っ込むのだろう。
ナチスに甘い英国のチェンバレン首相、蒋介石に優柔な幣原外相が祖国を大災難に導いたことは知られているが、福田総理は喜んでそれを繰り返すのだろう。
国民は福田総理を選んだ自民党に先の衆院選で投票したのだ。国民のレベルは自民党と福田総理と一緒である。亡国になっても己を責めるしかないだろう。自らがまいた種である。
アキバの殺人鬼と、警察官僚・富田メモの孫・中核派の晋(すすむ)容疑者を産んだ親はどう落とし前をつけるのだろうか。そんなことを気にする親じゃないだろうな。
武士道精神の「死んでお詫びをします」という言葉も死語になってきた。国民にその覚悟がないのだから、命懸けで国家を経営する政治家を求めるなんて所詮無理な話か。
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