2014 From ignore to abandon 前田正晶

6日朝、6チャンネルでは関口宏がサミットを評して「20ヶ国以上も集まるならば国連ではないか」と言っていた。
そこで、英語屋と言われようと、ひけらかすと言われようと、気にしないで英語問題を一席。
“big nothing”:大体からして”United Nations”の何処に「国際」とあるのかと、18年も前から書いてきた。語ってきた。俗に「鰯の頭も信心から」と言うが、UN等はそれ以下の御利益しかないのに、未だに有難がっている人が多い。
ではありませんか、小澤さん?こういうUNのような存在を英語で”big nothing”と言う。
そうかと思えば、我が総理と会談したブッシュ大統領は「拉致問題を無視しない」と言った。言葉は”ignore”だった。”never forget”は不味かったと思ったか。
因みに、「頂門の一針」主宰者の渡部亮次郎氏は「忘れない」は「別れの捨て台詞」と切って捨てられた。
今回の発言も意味がない。「解決してみせる」とも「何が出来るかやってみようと思う」とすらも言っていない。一方では我が総理は「アメリカ密に連絡・提携して」などとお気楽なものだった。
「本当にやってみよう」ならば”I will try to get it done.”くらいで決意を表明するところだが、そんなことはテレビからは聞こえなかった。
最悪でも”Let me see what we (またはI) can do about it.”くらいは言って欲しかった。だが、此処には「やってみせる」との意思表明がない。この最低線すら守ってくれないのだった。
7日以降、新聞がどう書くかが楽しみだ。”never forget”の線を守ることを忘れていなかったとでも書くかな?
“abandon”:今日7日は早くから起きて「無視しない」問題の追跡取材?をした。
産経は「無視しない」を記事に使っていた。しかし、「名前を覚えて貰っていないのでは」とある新聞に揶揄された総理との共同記者会見では、ブッシュ大統領の言葉は”ignore”から、何とあの”abandon”に変わっていた。
これぞ私が忌み嫌う単語集の先頭に現れる言葉ではないか!しかも、私はこの言葉はそのためにあるので、使われるためではないと思っていた。初めてアメリカ人が使うのが聞けた。感動ものだった。
これを各紙がその前に”not”がついたために「置き去りにしない」としていたのだろう。
此処まで来たのだから”ignore”と”abandon”の違いを調べてみた。今回は辞書をOxfordではなく、アメリカの”Webster”にした。
“ignore”は”to refuse to take notice of”とある。これでは「注目、注意、観察することを拒絶する」になってしまう。これではきつすぎると思ったのか?
“abandon”は”to give up completely”か”to withdraw from often in the face of danger”である。すなわち「完全に見捨てない」のか「危険だからといって手を引くことはない」と言ったのである。
3番目には”to withdraw protection, support, or help”とあるので、これが「置き去り」に相当するのか?
マスコミの訳は拉致被害家族に配慮してのものだろうし、世論という名の新聞論調にも影響が出ると思ったのだろう。だが、英語のところを聞いている人もおられるだろうし、副音声だってある。
何れにせよ、アメリカの大統領の発言は悪い意味でぶれていない。ライス国務長官の発言もこの大統領の意向を受けているものだろう。
兎に角、彼らは北朝鮮の核を排除したとの実績を残すことが最優先で最大の狙いであることを、あらためて我々に知らせてくれたのであった。
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