いよいよ五輪開幕まであと六日。
8月1日には胡錦濤国家主席が人民大会堂に米紙ウォールストリート・ジャーナルなど海外25のメディアを招いて記者会見した。
日本のメディアは「2016年、東京の幸運を祈る」とリップサービスのことしか報じなかったが、じつは「中国経済の現状は大きな挑戦と困難に直面している」との認識を示唆したものとして注目される。
同時に今後の経済失速の懼れについて、胡錦濤は、「あらゆる政策手段を講じて経済成長の維持とインフレ抑制を追求する」と述べた。
物価統制を念頭にしているのは、温家宝首相の経済路線と軌を一にしている。
胡主席は「高成長の主力だった輸出の鈍化と経済の減速」を認め、「改革開放政策をさらに深化させたい」とした。
一方、「北京五輪には誠意をもって対応しており、五輪に政治的に反対する動きなどは五輪の精神や全世界の人々の共通の願いに反している。世界には様々な問題や見方があるが、五輪の政治化はこうした問題の解決にならない」などと一方的な指摘。チベット問題や中国の人権問題に絡めた北京五輪反対の論調を強く牽制した。
あちこちでのヴィザ制限、取材制限、ネット閉鎖など報道の自由に対しての質問には回答がなかった。
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2106 2016東京五輪には「幸運を祈る」 宮崎正弘

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