2110 ズラリと女性閣僚を並べて話題を浚ったよ 古沢襄

福田改造内閣はみる人の立場によって評価が違う。民主党は総じて麻生幹事長の登用によって選挙近しと身構えた。選挙が近い以上、臨戦態勢をとる必要がある。消費税値上げを目論む増税内閣と決めつける戦法をとるだろう。
与党の公明党は麻生人気がどの程度まで内閣支持率に反映するか、まだ、はかりかねている。福田内閣の支持率低迷が続けば、そのあおりを受けて公明党まで沈没しかねない。それなら、いっそのこと民主党と手を組むか、万年与党志向の公明党だから、迷いがでているというのは、穿ちすぎなのだろうか。
こんどの改造劇で小泉・竹中路線は福田首相によって袖にされた。小泉さんの憤懣やる方がないだろう。小泉・竹中路線の継承者を自負していた中川秀直氏ら”上げ潮派”は、宣戦布告状を突きつけられたようなものだ。
いずれポスト福田の後継総裁をめぐって一戦を交える日がくる。上げ潮派は捲土重来、戦線の立て直しが必要になる。その時期は意外と早いのではないか。自民党内で非主流として”ものを申す”動きが活発化しそうである。小泉チルドレンを加えれば、党内では無視できない勢力になる。
差し当たっては、麻生太郎氏を幹事長として取り込んだ福田政権が、低迷していた支持率をどの程度にまでアップできるのか、マスコミ各社とも世論調査をやるだろうから、自民党だけでなく民主党にとっても気になるところだろう。
意地悪い言い方をすれば、自民党の支持率は上向くだろうが、内閣の支持率は大幅にあがることは期待できない・・・と私はみている。それほど物価高、年金問題など国民の不満が鬱積している。改造人事の目くらましは、あまり効かない。
もともと福田氏は小泉元首相の様な派手な演出型ではない。小泉氏が外向型とすれば福田氏は内向型。手の内を見せずに内側をしっかり塗り固める性癖がある。薬でいえば”漢方薬型”で、即効性のあるパフーマンスには注意を払わない。
この手法は戦後最長不倒の長期政権となった佐藤栄作元首相と似ている。佐藤氏も国民人気の沸かない宰相であった。父親の福田赳夫元首相もお世辞にも人気があった宰相とはいえない。今太閤と囃された田中角栄元首相のような派手さと国民人気に欠けてている。
野党に対して自民党が圧倒的な多数を保持していた時代には、この手法が通用した。しかし与野党伯仲の時代を迎え、参院では野党が多数となった今では、手堅い人事が国民受けするだろうか。
小泉さんなら、どういう改造人事をしただろうかと考えている。有権者の半数以上が女性だから、ズラリと女性閣僚を並べて話題を浚ったのではないか。
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