2142 中国人は柔道をしないのに 渡部亮次郎

中国人は柔道を全くしないのに女子柔道では8月10日、52キロ級で洗東妹選手が前回アテネ大会に続いて連続優勝した。産経新聞の古森義久記者(編集特別委員、前中国総局長、柔道有段者)はだから12日の紙面で「中国の柔道はミステリー」と書いた。
それによると中国の社会では柔道は実在しない。一般市民が通える柔道場はどこにも無い。各種学校の体育の授業でも部活動でも柔道は無い。一般国民は知らない種目なのだ。
だから日本の愛知大学から北京に留学中の残留孤児3世の加留部遥さんは五輪前に中国の友人に柔道を話題にしたら「それ、なに?」と問われ、戸惑った。
東海大学体育学部教授の光本健次7段によると、国家が各省を通じて、全国規模で素質ある少数の少女を集める。官営の特別施設に住まわせ、徹底した訓練を何年も重ねた結果、成果が出ているのだという。
関係者によると、要するに柔道によって心身を鍛錬するとか人格を高めるとか礼儀を教えるとかといった柔「道」とは全く無関係な国威発揚、メダル獲得大作戦の一環に過ぎないのである。
だから他国に強者の多い男子柔道は諦め、女子だけの強化に努めているのだと言うのだから、日本人としてはもはや「なにをかいわんや」だ。
女性選手達は北京市内の国家柔道センターに住まわされ、一日中、練習を続けている。約50人の選手に30人ほどの男子が専属の練習相手として付けられている。
これら男子は各省から選ばれて来るけれども、女子の練習台専門。男子の試合に出ることは無い。光本教授は中国の男子選手の強化のために今春まで8ヶ月ほど中国柔道連盟の特別コーチを務めたそうだが、さて教え子は女子の「台」にしかなれない?
国家柔道センターは50畳の練習場が十数面も並ぶほど広大で、施設の主体となる1階は女子用、男子用は2階。
女子各選手には個別にコーチと練習台の男子選手がつき、柔道そのものよりも筋力パワーの強化に重点が置かれている。柔道家でもある古森記者は「なるほど相手を持ち上げ、ひねり、ねじ伏せるという洗選手の戦闘的な試合振りはそんな訓練方法を連想させる」。
だから洗選手。32歳の母親で、1歳半の娘がいるが五輪合宿のため1年も娘と会っていない。そればかりか「金メダルを取るために結婚式も新婚旅行もせず、夫には申し訳ない」と。
金メダルを手にしては「今一番したい事は1年も会っていない娘に会うことです。母親としてすまない事ばかりで、これから必ず埋め合わせます」と言っていたそうだ。
尚、中国の五輪中継では柔道は報じていないと古森さんは書いている。要するに共産中国にとって柔道は「道」でもスポーツデさえなく単にメダルを獲得するだけの「作戦」に過ぎない。
中国女子柔道を「評価」する諸氏は考えを改めるべきではないか。それとも日本武道もここまで落ちるか?
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