2155 ブッシュが日本を救った 宮崎正弘

高山正之『ジョージ・ブッシュが日本を救った』(新潮社)。この本は大評判『週刊新潮』の巻末激辛コラム「変見自在」をまとめた第三集。
『サダムフセインは偉かった』、『スーチー女史は善人か』と前二作が日本の保守論壇、読書人に喝采と共に受け入れられ、本書が第三弾。そのあと来年二月には四冊目もでる(らしい)。
高山さんの読者ならすでにおわかりのように、基本はかなりの反米論調で、しかもアメリカの押しつけた歴史観、東京裁判史観断固拒否。イラク戦争は間違い、スーチー女史を英雄視するのも間違いと声高に主張してきた高山氏。ところがなぜ今度の題名は「ジョージ・ブッシュが日本を救った」ことになるの?
その答えを書いてしまったら本書を繙かないひとも出るだろうが、要するにクリントン批判が前段にあって、悪徳弁護士たちのマッチ・ポンプという社会の歪んだ構造を理解しないと、この方程式は解きにくい。
アメリカに進出した日本企業に難癖をつけろと司法当局にクリントンが命じ、日本から絞るだけカネをしぼったのがクリントン政権の隠れた対日戦略だった。
そうそう、あの閣僚名簿を思い出したが、95%が弁護士だったっけ。訴訟慣れしていないトヨタ、旭光学、ミノルタ、三菱自動車。片っ端から難癖を付けられての敗訴。クリントン系列のアメリカ人悪徳弁護士らはデタラメな論法で日本を攻めに攻めた。
そして驚くなかれ、朝日新聞は日本企業が困惑し困窮していても不法な裁判を論評しなかった。結局、朝日新聞批判が基調なのである。
そして、ブッシュはまるで百八十度姿勢を転換し、以後日本企業への悪質は裁判沙汰がピタリと止んだ。その経緯がいくつかのページに述べられている。だから本書の表題がでてくる。
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