2177 民主に追い風、自民に向かい風 古沢襄

北京五輪が終わって日本は国内政局の一色になる。とはいうものの解散・総選挙の時期は視界ゼロ、与野党とも様々な観測が入り乱れて当事者たちは落ち着かない日々が続く。気の早い向きは臨時国会の冒頭に解散、十月総選挙で小沢民主党の圧勝と占う。
しかし当面の最大の課題は大型の補正予算を成立させて、景気後退の国民不安を防ぐことにある。臨時国会の冒頭解散はあり得ない。ただ民主党にとっては総選挙の時期が早い方がいいから、臨時国会で徹底抗戦戦術に出るだろう。
時期はどうあれ、民主党に追い風、自民党に向かい風の政治状況は変わらない。といっても民主党の圧勝になるか、どうか。小泉郵政総選挙で圧勝した自民党が百議席前後は失うというのが、選挙実務者たちの一致した観測だが、民主、自民両党とも単独では過半数を制するのは難しいのではないか。
ポスト福田の人気投票をすると一位が麻生太郎氏、二位が小泉元首相、三位に小沢一郎氏と出るから、小沢首相で爆発的な人気がでるとは思えない。一位の麻生氏の総理待望論があるが不評の自民党で相殺されて、これも爆発的な人気とはいかない。
仮に民主党が自民党を押さえて第一党になるとしよう。単独で過半数をとれなければ、共産党、社民党、国民新党の支持が必要になる。その分だけ小沢政権は保守から革新にスタンスが移る。日米軍事同盟は希薄化して自衛隊の予算は縮減の対象になる。その分を国民福祉に振り向ければ、まさに大きな政府の方向に歩き出す。
民主党内の保守系には共産党との提携には拒絶反応がある。共産党の代わりに公明党・創価学会との連立を模索するかもしれない。公明党にとっては「主が自民党から民主党に代わった」だけで万年与党を満喫できる。
今度は野党になる自民党が共産党、社民党と組んで小沢政権を揺さぶる番となる。かくして日本はコップの中の争いで年々歳々、地盤沈下をしていくことになる。救い難い日本丸はどこに漂流するのだろうか。
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