2191 盛り上がり欠く米民主党大会 宮崎正弘

米国民主党大会はなぜこう活気も熱気も感じられないのか。グルジア侵攻に無策の政府に失望、絶望、それとも苛立ちからか。
米民主党大会は本来なら熱気にあふれ、目の前にきた政権奪還に向けてもっと盛り上げるべきではないか。
第一にオバマ候補は副大統領候補にジョセフ・バイデンを選んだが、これがミスキャストのおそれが高い。バイデン上院議員は議会の大物だが、世渡りがうますぎで、これというキャラに欠ける。
第二にせっかくのチャンスなのに国防外交経済の政策提言になにひとつ活気刺激興奮が感じられない。冷血なのか、凡庸すぎるのか、オバマのブレーンはどういう集団なのだろう?
第三に仇敵ヒラリーが応援演説に駆けつけたが場内のあのシラケた空気はいったい何だろう? 
ヒラリー支持者の三分の一はオバマに入れないと明言しているうえ、全体の四分の一は、驚くべし。マケインに入れると放言している。
通常、党大会前後は、当該党籍候補者が数ポイントはリードするはずである。ところが民主党大会が開催中であるにもかかわらず、世論調査は共和党のマケインの数ポイント優勢を示している。
まことに奇妙である。ひょっとしてマケインが勝つ?
 
テレビ演説をみていても老齢な印象で、力強さを感じないマケインが、元気にあふれるイメージだったオバマを逆戦するとすれば、現在進行中のグルジア、ついで泥沼のアフガン、イラクに加えてパキスタン情勢の不穏。
イランの核武装、北朝鮮の米国の挑発(もっとも、核申告を元に戻したのは、胡錦涛の韓国訪問直後である)に、これじゃマケインでなくては米国は完全に駄目になると多くの国民が考えてのことかもしれない。
いずれにしても盛り上がりを決定的に欠いた米民主党大会は、すこし雰囲気がおかしい。
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