いずれは参院民主党で離党騒ぎが出るとみられていたが、小沢代表が三選出馬を表明するその日に飛び出すとは思っていなかった。僅か三人の離党だから参院における野党優位は変わらないのだが、それは表面的なことである。
定数242の参院で過半数は122議席。民主党単独では112議席だったのが109議席になった。また民主党が国民新党らと組んでいた参院統一会派は120議席から117議席に減る。
過半数の優位を保つためには、共産党と社民党の協力が今まで以上に欠かせなくなった。それだけ民主党は保守色を薄めて革新色を強めるしかない。民主党が共産党や社民党に引っ張られると、党内の保守系議員に反発が生まれるだろう。
そう考えると渡辺秀央、大江康弘、姫井由美子の三参院議員が民主党から離党したことは決して小さな事件ではない。衆院でも平沼新党の動きがあるし、小泉新党すら噂されている。二大政党の周辺で何かが起ころうとしている気配を感じる。
<民主党の小沢一郎代表は28日、党本部で開いた幹部会で、「代表選に立候補を表明したい。皆さん、できれば協力してほしい」と述べ、党代表選への出馬を表明した。9月1日に正式に出馬会見するが、無投票3選は確実だ。
一方、民主党の渡辺秀央、大江康弘、姫井由美子の3参院議員は同日、離党届を提出した。その後、3氏は無所属の荒井広幸、松下新平両参院議員を加えた5人で、総務省へ新党の結成を届け出て受理された。党名は「改革クラブ」で代表に渡辺氏、幹事長に荒井氏が就いた。福田政権へ攻勢をかけていた民主党は痛手を負った形だ。
渡辺氏らは29日午後に新党結成の記者会見を開く。渡辺氏は28日、国会内で記者団に、民主党を「政局優先で国民のためになっていない」と批判した。新党は「福田政権に是々非々の立場で臨む」(参加議員)方針だが、政府・与党寄りの立場をとるとみられる。
新党が野党側に立たなくても、参院(定数242)での野党過半数の状況は続き、与野党の「ねじれ」はそのまま。ただ、民主党が国民新党などと組む参院統一会派は120人から117人へ減ることになる。
小沢氏らは同党の幹部会で、渡辺氏らの離党届を当面受理せず、党代表選(9月21日)後に発足する新執行部に扱いを委ねることを決めた。鳩山由紀夫幹事長は記者団に「民主党支持者の票で当選したのに大変な背信行為だ。離党するなら議員辞職すべきだ」と渡辺氏らの動きを非難した。(産経新聞)>
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2199 三選出馬と離党騒ぎ 古沢襄

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