2244 地方で圧倒的人気の麻生幹事長 古沢襄

地方では麻生幹事長が圧倒的に人気がある。それだけ地方経済の活性化を麻生氏に託す空気が強いといえる。遊説を続ける麻生氏は「8月1日から幹事長になりましたが、幹事長にはよほど縁がないらしい。前回は3週間、このたびは1カ月でまた・・・」と余裕の喋りで、聴衆を沸かせていた。
毎日新聞社は各都道府県連幹事長を対象にした全国調査を実施したところ、麻生幹事長を自民党総裁に推す声が圧倒的だった。臨時国会の冒頭解散が必至とみられることから、各都道府県連幹事長は選挙の顔として”麻生首相”による盛り上がりを期待している。
地方票は141票と衆参両院議員票387票の半分にも満たないが、総選挙を前にして臨戦態勢をとる自民党の全国組織の動向は、総裁選の行方に大きな影響を与えそうだ。
<自民党総裁選で都道府県連に割り振られた各3票の行方は、全都道府県で実施されることになった「予備選」にゆだねられる。毎日新聞は、原則として各都道府県連幹事長を対象に全国調査を実施し5日にまとめたところ、麻生太郎幹事長を推す声が圧倒的だった。5人以上が立候補する見通しとなった現状については、歓迎する声が多かった。
「次期総裁は誰が望ましいと思うか」という質問に、名前を挙げたのは23人。このうち21人が麻生氏と答えた。これはあくまで都道府県連幹事長の考えで、党員・党友による「予備選」の結果が反映される地方票の情勢にそのまま結びつくわけではない。候補者の顔ぶれが確定後、状況が変化する可能性もある。
ただ、都道府県議が多い地方の幹事長の声は、次期衆院選に向けて、地方に「麻生待望論」が根強いことを示したとは言えそうだ。
麻生氏以外を挙げたのは、「石原伸晃元政調会長か小池百合子元防衛相」と答えた福井県連、石破茂前防衛相を挙げた石破氏の地元・鳥取県連だった。
一方、「本格的な選挙戦を望むか」という質問に対して、北海道連の丸岩公充幹事長は「総裁を選べることは、入党の際の一番大きな魅力だ。選挙を盛り上げてほしい」と答えた。岐阜県連の猫田孝幹事長が「開かれた自民党をアピールする機会にすべきだ」と指摘するなど、乱戦模様を歓迎する意見が多い。
次期衆院選を意識して、新潟県連の渡辺惇夫幹事長が「党の置かれた立場は厳しいが総裁選が盛り上がればイメージアップになる」と述べたほか、「主義主張を国民に分かりやすく説明すれば衆院選のプラスになる」という回答も複数あった。
小沢一郎代表の無投票3選が固まっている民主党を意識した声もある。京都府連の田中セツ子幹事長は「民主党のように身内が足を引っ張り、代表選に出たくても出られない雰囲気はおかしい」と民主党を批判。福岡県連の江口吉男幹事長は「多くの候補者が出ることで民主党との違いが出せる」と指摘した。
一方、宮城県連の柏佑整幹事長が「実態を反映させ、宮城には5票割り当ててほしい」と主張するなど、一律3票の是正を求める声も聞かれた。
【ことば】総裁選地方票
今回の総裁選は両院議員総会で行われ、党所属国会議員に各1票、都道府県連に各3票の計141票が割り当てられる。現在、衆院議員304人、参院議員83人で、国会議員票は387票となる。
自民党は77年、全党員・党友が投票する予備選によって上位2人に候補者を絞り、国会議員投票で本選挙を行うことを定め、この方式で2回の総裁選を実施した。91年には党員・党友数に応じて都道府県連に票を配分する方式を導入。数回の見直しの末、01年から現在の仕組みになった。
国会議員票の半分に満たない地方票だが、決して侮れない。小泉純一郎氏が橋本龍太郎氏らと争った01年総裁選は、国会議員票で劣勢が伝えられた小泉氏が地方票のうち123票を獲得。地滑り的に国会議員票も伸ばし圧勝した。
また、昨年の総裁選で、地方票は福田康夫氏76票、麻生太郎氏65票だったが、党員・党友の得票総数では麻生氏が25万3692票で、福田氏の25万613票を上回った。この結果、福田支持を打ち出した派閥からも票が流れ、麻生氏は下馬評を上回る計197票を獲得した。(毎日)>
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