米大統領選の世論調査(USAトゥデー紙・ギャラップ社)で、共和党のマケイン候補が民主党のオバマ候補を凌駕した。共和党大会で副大統領候補にペイリン・アラスカ州知事を指名した”ペイリン効果”だといわれている。
ロイターはマケインの支持率が4%ポイントのリードは一月以来最大の差になったとしている。一方、ワシントン読売もUSAトゥデー紙・ギャラップ社の世論調査を報じたが、マケイン54%、オバマ44%でマケイン支持率が10ポイント上回ったとした。
いずれもマケインが劇的な逆転をみせたとしているが、4%ポイントのリードなのか、10%の大差なのか、報道によって読者が迷う結果になった。
これについて、USAトゥデー紙・ギャラップ社の世論調査をいち早く伝えた宮崎正弘氏は次の様な指摘をしていた。
①オバマ候補が劣勢に、マケイン候補は10ポイントのリード。「ハリケーン」=ペイリンが状況を変えた。
②USAトゥディとギャロップの世論調査(7日)は、一般では、50vs46でマケインのリードを示したが、一番重要なのは、
③「あなたは、ところで投票に行きますか?」の設問で「行く」と答えた人の、54%がマケインに44%がオバマ支持だった。
宮崎正弘氏によれば、③の設問による10%差に意味があるという。「民主党支持層のヒラリー支持派が棄権する可能性を露骨に示した数字である」と解説している。この説明の方が分かり安い。
<[ワシントン 7日 ロイター] 米USAトゥデー紙とギャラップ社が実施した大統領選の世論調査で、ジョン・マケイン共和党候補の支持率が、民主党のオバマ候補を4%ポイント上回った。マケイン候補の4%ポイントのリードは1月以来最大。
先週の共和党大会直前に行われた前回調査では、オバマ候補がマケイン候補を7%ポイントリードしていた。
今回の調査では、マケイン候補の支持率が50%、オバマ候補が46%だった。
USAトゥデー紙は、マケイン候補の支持率は共和党大会とペイリン・アラスカ州知事の副大統領候補指名をきっかけに、大幅に伸びていると分析。経済政策に対するオバマ候補のリード幅も縮まっており、共和党大会前の19ポイントから3ポイントとなった。
調査は5─7日、1022人の成人を対象に行われ、うち959人が登録有権者だった。(ロイター)>
<【ワシントン=五十嵐文】米紙USAトゥデーが7日に発表したギャラップ社との世論調査(5~7日実施)によると、共和党の大統領候補ジョン・マケイン上院議員(72)の支持率は54%で、民主党の大統領候補バラク・オバマ上院議員(47)の44%を10ポイント上回った。
同調査でマケイン氏が2けた台のリードを記録するのは初めて。1~4日の共和党大会直前の前回調査(8月30~31日)では、マケイン氏はオバマ氏に7ポイント下回っていたが、メディアの関心が集中した共和党大会を機に、一気に形勢を逆転した。
マケイン氏が副大統領候補にサラ・ペイリン・アラスカ州知事を起用したことで「マケイン氏に投票する可能性が高くなった」と答えた人は29%に上り、「ペイリン効果」をうかがわせた。
オバマ氏が副大統領候補ジョゼフ・バイデン上院外交委員長を選んだことで「オバマ氏に投票する可能性が高まった」とした人は14%にとどまった。
ただ、過去の大統領選でも、共和党大会直後には同党大統領候補の支持率が一時的に上昇するケースが見られ、マケイン氏がこのままリードを維持できるかどうかは不明。(読売)>
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2256 4%差なのか、10%差なのか 古沢襄

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