玉石混淆の批判はあるが、北朝鮮情報はやはり韓国筋が早い。北朝鮮の政権樹立60周年(9・9節)を前にして、金正日総書記が8月22日に倒れ、中国の医師五人が平壌に送り込まれている、という情報が流れている。
重要行事である9・9節の軍事パレードに金正日総書記が姿を見せなければ、重病説の裏付けとなる。前日の8日の「慶祝中央報告大会」も重要行事なのだが、金正日総書記は姿を見せていない。
気になる金正日総書記の動静である。
<北朝鮮は8日、政権樹立60周年(9・9節)を翌日に控え、平壌体育館で「慶祝中央報告大会」を開いた。報告大会は、北朝鮮が主要な記念日ごとに、住民に向け政策の成果や計画などを広報するため実施する大規模なイベントで、党・政・軍の要人がそろって登場する。
朝鮮中央テレビによると、金英逸(キム・ヨンイル)首相が報告大会で「わが党は、2012年に強盛大国の大門を開いて突き進む雄大な目標を提示した。わが国を21世紀の社会主義経済強国として建設することは、われわれの前にある最も重要な務めだ」と語り、続けて「農業革命、軽工業革命の炎を激しく燃やし、食糧問題、人民消費品問題を一日も早く解決しなければならない」と付け加えた。
「健康不安説」が浮上している金正日(キム・ジョンイル)総書記(66)は、このイベントに参加しなかった。
北朝鮮はここ10年間の9・9節イベントについて、「節目の年」(5年・10年単位)である50周年や55周年の際には中央報告大会を開かず、金総書記が参加する大規模な軍事パレードや軍内部での集会を開催していた。
また51‐54周年と56‐59周年の際には、金総書記不参加の中央報告大会を開いていた。
このため、8日に北朝鮮が中央報告大会を開催したことを受け、「金総書記が健康問題のため軍事パレードに出られなくなったことにより、代わりにこのイベントを開いたのではないか」という見方が出ている。
しかし、政府の消息筋は「平壌は今、軍事パレードや軍内部での集会を準備している。2005年10月10日の労働党創党60周年イベントのときには、中央報告大会と軍事パレードを両方行ったことが分かっている」と語った。
北朝鮮はこの日の報告大会で、李明博(イ・ミョンバク)大統領を直接非難せず、核問題に言及することもなかった。代わりに、2000年6月15日の南北共同宣言や07年10月4日の共同宣言の履行を強調した。政府の消息筋は「重病説がささやかれている軍の元老、李乙雪(イ・ウルソル)元帥が久しぶりに姿を見せた、という情報がある」と語った。(朝鮮日報)>
<在中韓国大使館の関係者が8日に明らかにしたところによると、「北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が先月22日に(健康悪化のため)倒れた、という情報を入手した。本部(外交通商部)に報告し、引き続き関連情報を収集している」という。さらにこの関係者は、「情報は中国側の消息通から入手し、詳細について確認中で、北朝鮮内部の状況を見守っている」と付け加えた。
金総書記はここ1カ月間、公の場に姿を現しておらず、「中国の医師5人が最近北朝鮮を訪れた」という情報も合わせ、健康不安説が増幅されている状況にある。
北京の北朝鮮消息筋は、「もし金総書記が北朝鮮の政権樹立60周年記念日に当たる9月9日にも公の場に姿を現さない場合、健康に深刻な問題があるものとみなければならない」と語った。先に行われた政権樹立50周年、55周年記念行事の際には、金総書記が出席して北朝鮮軍の軍事パレードを観閲した。北朝鮮が5年を単位として政権樹立記念行事を大々的に行ってきた点に照らしてみても、特別な事情がない限り、金総書記が今年もイベントに出席するというのが自然だ。
しかし北京の北朝鮮消息筋は、今のところ中国国内の北朝鮮外交公館や党から派遣されている貿易従事者の動きに変わった動きは見られないことから、現段階では北朝鮮の政権内部に異常な流れがあるとみるのは難しい、という見方を示している。(朝鮮日報)>
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