金メダルの北島康介選手が発した「何も言えねえ」を引き、意中の候補を明らかにしなかった小泉元首相だが、一夜明けて「オレは小池さんを支持する。小池総裁になれば、民主党の小沢一郎代表といい勝負になる」と明言した。
自民党内の大勢が麻生太郎幹事長を支持する流れが出来て、一回目の投票で麻生氏が過半数をとる可能性がいわれている時に、小泉発言がどのような影響を与えるか、党内の注目をひいている。
<自民党総裁選に出馬した小池百合子元防衛相の陣営は、小泉純一郎元首相の支持表明を受け、票の上積みに期待を強めている。「小泉チルドレン」や、態度を決めかねている議員らの支持が広がる可能性があるためだ。
小泉氏としても、麻生太郎幹事長の「独走」を食い止める狙いがあるとみられる。麻生陣営は「要注意」と警戒しつつも、「大勢に影響はない」と強気の構えだ。
「総裁選はサッカーの前半。後半は総選挙だ。そのことをよく考えれば分かってくれるはずだ」。小泉氏は12日、小池陣営の選対本部長を務める衛藤征士郎元防衛庁長官らを前に「おれは小池を支持する」と述べた上で、こう説明したという。
総裁選は今のところ、麻生氏が8派閥すべてに支持を広げ、優位に立っている。これに対し、小池氏は所属する町村派の中川秀直元幹事長らの支援を受けるものの、劣勢は否めない。派内では、麻生氏を推す森喜朗元首相らの締め付けに遭い、苦戦を強いられている。
それだけに、小泉氏が「小池に一票を入れる」とのメッセージを出したことは、小池陣営にとって朗報となった。小泉氏の国民的人気はなお根強く、改革路線を支持する議員や地方票にも影響を与える可能性がある。小池氏は「超うれしい」と感激を表し、陣営の若手議員は「錦の御旗はこっちだ」と勢いづいた。
もっとも、麻生陣営は「議員票にそれほど影響はない」(中堅)と強調。地方は構造改革によって疲弊したとの指摘もあるだけに、「いまさら小泉氏が表明しても、麻生優位の情勢は変わらない」との声が多い。
同陣営の町村信孝官房長官は「小泉氏が公の場で話したわけではなく、真偽のほどは分からない」と述べた。ただ、改革を訴える石原伸晃元政調会長の陣営は「うちが1番影響を受ける」と危機感を募らせた。
一方、小泉発言は分裂状態に陥っている町村派の主導権争いにも影響を与えそうだ。中川氏は民主党の一部と連携した政界再編を志向しているとされ、「再編論者の小泉氏が小池支持を打ち出すことで、中川氏の孤立化を避けようとした」との見方も出ている。(時事)>
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2276 小泉元首相は小池百合子氏を支持 古沢襄

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