相手が福田自民党なら小沢民主党で圧勝と気勢があがっていた民主党だが、福田首相の辞意表明で急転直下、人気者の麻生自民党と一戦を交える公算が強くなって、楽観論がなくなっている。
民主党は自民党に先駆けて次期衆院選の1次公認候補を発表したが、内定者をさらに絞り込み、187人しか公認しなかった。
代表の小沢氏は岩手四区から出馬するとみられているが、あえて一次公認から外している。公明党の太田代表が出る東京12区から出馬する含みを持たせたのかもしれないが、むしろ一次公認の話題づくりを狙ったのだろう。
<民主党は12日、常任幹事会で次期衆院選の第1次公認候補187人を正式決定した。これまで245人(10日現在)の公認を内定していたが、世論調査などの結果を基に、大幅に絞り込んだ。
有権者への浸透が進んでいない内定者の公認を見送ることで、党内の引き締めを図る狙いがある。
赤松広隆選対委員長は12日の記者会見で、第1次公認候補を絞り込んだ理由について、「一言で言えば『小沢戦略』だ。1次公認から外れてもかえって奮起する人でないと、選挙には勝てない」と説明した。
さらに「世論調査で相当に悪い数字の公認内定者もいる。候補の差し替えもないとは言えない」と続けた。
小沢氏は従来、「元議員、新人の日常活動が足りない」と不満を漏らしていた。今月9日には自ら都内の公認内定者の事務所を“アポなし”でまわり、「スタッフは事務所にいないで、街を歩け」と指示したほどだ。
12日の常任幹事会では、公認決定の基準について「ベテランの元議員などは情で配慮してもいいのではないか」との意見に対し、小沢氏は「政治的な考えからだ」と述べ、頑として譲らなかったという。
◆自ら命じる
第1次公認候補の内訳は、現職108人、前・元議員35人、新人44人。現職議員の大半が公認されたが、小沢氏は入らなかった。「どういう対応でもできるように」と自ら名前を外すように命じたためだ。
鳩山幹事長は12日の記者会見で、「小沢代表は次の衆院選を背水の陣と位置づけており、それを象徴する選挙区を選ぶ可能性がある」と述べ、地盤である岩手4区からの「国替え」に含みを残した。公明党の太田代表の選挙地盤である東京12区に、小沢氏が選挙区を変更する構想が浮上したこともある。自民党からは「揺さぶりだ」との声も聞かれる。
◆選挙協力
民主党は、他の野党との選挙協力を進めているが、調整が難航している選挙区も多い。
赤松氏は12日、国会内で社民党の渕上貞雄副党首と一緒に記者会見し、民主党公認候補がいる東京6区から同8区に「国替え」した社民党の保坂展人衆院議員を民主党が推薦することを発表した。宮城1~5区は民主党、宮城6区は社民党が候補を擁立する「すみ分け」で合意したことも明らかにした。
ただ、民主、社民両党の候補が競合するのは、依然、7選挙区にのぼる。国民新党とも、青森4区など4選挙区で候補者調整が必要で、最後は党首会談で決着を図るしかない情勢だ。(読売)>
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2277 民主1次公認を大幅に絞り込み 古沢襄

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