2295 テポドン2号のエンジン燃焼試験 古沢襄

北朝鮮は日本攻撃を目的とした射程1500キロのノドン・ミサイルを200基も完全配備しているが、米本土に届く射程7000キロクラスのテポドン・ミサイルは開発が難しいとされている。
米朝和解の理由の一つとして、米国にとって脅威となるテポドン・ミサイルの開発をやめさせることにあるといわれている。核を持っても搬送手段がなければ、脅威は半減される。核爆弾を搭載した爆撃機なら、地対空ミサイルで邀撃できる。
その米国を揺るがす様な情報を韓国・朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者が書いている。北朝鮮は今年になってからテポドン2号(射程距離6700キロ)と推定される長距離ミサイルのエンジン燃焼試験をすでに行ったという。
金正日総書記の重病説や死亡説が伝えられる中で、タカ派軍部が台頭しているといわれる北朝鮮だが、米本土を狙ったテポドン・ミサイルの開発が着々と進められている。
<北朝鮮が現在建設を進めている平安北道鉄山郡東倉里の長距離ミサイル発射試験場(基地)で、今年に入ってからテポドン2号(射程距離6700キロ)と推定される長距離ミサイルのエンジン燃焼試験が行われていたことが分かった。
エンジン燃焼試験はミサイルのロケットエンジンを試験場内に水平に横たわらせて稼動させるもので、ミサイル開発においては必須のプロセスだ。
これは来年中に完成するとみられる東倉里試験場がすでに部分的に稼動していることを意味しており、北朝鮮が長距離ミサイル開発を今も続けていることを示すものでもある。
韓国政府の北朝鮮情報筋は15日、「北朝鮮が今年に入って東倉里試験場で長距離ミサイルのロケットエンジン燃焼試験を行っていることが、米国のKH‐12偵察衛星により把握された」「東倉里試験場では数年前から段階的に工事が進められており、エンジン燃焼試験場はすでに稼動に入っている」などと述べた。
北朝鮮が今回行ったエンジン燃焼試験は、2006年7月に咸鏡北道花台郡舞水端里の試験場(テポドン試験場)で試験発射が行われたが失敗したテポドン2号、またはその改良型(射程距離1万キロ以上)と推定されている。
別の消息筋は「北朝鮮は06年7月にテポドン2号の試験発射に失敗した後も、エンジン燃焼試験を不定期に行いながらミサイル開発を続けている」と述べた。(朝鮮日報)>
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