2329 GM、GEの社債が“ジャンク債”扱い 宮崎正弘

やはり株式市場の復活は難しい。ウォール街、再下落を始める。ブッシュ政権の総合的な救済策へ懐疑論の合唱。次はGM、GEに飛び火か。
日本は市場が休みだが、ウォール街は株価が再び下降局面へ(米国時間=22日)、最後の優良株と言われたGM株は11・5%下げ、アメックスも7・7%下げた。かわって原油が一日に25ドルもの暴騰を演じ、1バーレル=130ドル台へ。
しかも通貨市場では鮮明なドル安傾向に流れが変わった。
投機資金がウォール街から一夜にして抜け出し、当面の賭場である商品市場へ乱入した所為であろう。
先週一週間だけで安定的と言われたMMF資金から1970億ドルが逃げ出した。パトナムに象徴されたMMF(マネー・マネジメント・ファンド)が軒並み精算を余儀なくされている。
倒産したリーマンブラザーズの社債は累積1110億ドルと判明(フィナンシャルタイムズ、22日付け)。日本でも20億円のリーマン社債を保有しているキーエンスなどの会社もあるが、米国では年金ファンドや農業組合基金などもリーマンブラザーズの社債を保有していた。
資産売却、部門売却を急いでおりリーマンブラザーズの「アジア部門」は、野村證券が買収することで基本合意したが、子会社の北米投資銀行は、17億5000万ドルでバークレー銀行へ売却、従業員一万人ごと引き継ぐという。
SECはショートセル(空売り)禁止の対象としてGMとGEを加えた。かつて米國の資本主義がピカピカに輝いていたとき、両社は世界一の座を争っていた。よもや倒産寸前とは! 
格付け各社はGM、GEの社債をすでに“ジャンク債”扱いしており、さらには「ワシントンミューチアル」の格付けをDからEに落とした。倒産寸前を示唆する。
投資銀行がウォール街のビジネスモデルだった時代は突如終焉を迎えた。ヘッジファンドのGLGも格付けを下げた。
「基本的には空売りも現物買いも中立性ですが、空売りは短期的、現物は長期的要素が強い。空売りは集中的、談合的に行われるので市場インパクトが強く今回のパニックの原因になりやすいし、空売りによって企業の株価粉飾が暴かれるという側面的効果もあった」(市場専門家)という。
SECが空売りを禁止したのは、大幅な株価の下落を防止する措置である。
 
しかし、ブッシュ政権の総合対策は議会で最後の調整を図っているとはいえ、じつは共和党が懐疑論を提示しており、ニュート・キングリッチ元下院議長などは「不良債権買い取りなんぞポピュリストの政策であり、議会は簡単に承認するな」と大声を上げている。
オバマ候補がむしろ賛成に回っている。
UBS、シティグループも近く格下げとなり、公的資金注入の対象になりそうだと、ウォールストリート・ジャーナルが伝えている(22日)。
(サイト情報)米国の総合市場対策
(1)ブッシュ大統領は9月19日、ポールソン財務長官、バーナンキFRB議長、コックスSEC委員委員長を伴って記者会見を行い、金融危機回避のために米政府が行った緊急措置を発表jした。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/09/20080919-2.html
(2)ポールソン財務長官、金融機関と市場の緊張を緩和するための包括的な対応策http://www.treas.gov/press/releases/hp1149.htm
(3)MMF(マネー・マーケット・ファンド)保証プログラムについて
http://www.treas.gov/press/releases/hp1147.htm
(4)MMF保証プログラムについての追加説明
http://www.treas.gov/press/releases/hp1151.htm
(5)財務省は9月20日、市場安定化のために金融機関から不良資産を買い取る権限を求める法案を議会に提出した。法案内容のファクトシート
http://www.treas.gov/press/releases/hp1150.htm
(6)連邦準備制度理事会(FRB)は9月19日、市場の流動性を促す強化策を発表。
http://www.federalreserve.gov/newsevents/press/monetary/20080919a.htm
(7)証券取引委員会(SEC)の「株の空売り禁止」措置。
http://www.sec.gov/news/press/2008/2008-211.htm
       
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