<【ワシントン1日共同】米上院本会議は1日、金融危機対策のため最大7000億ドル(約75兆円)の公的資金で不良資産を買い取る制度を柱とした緊急経済安定化法案修正案を賛成74、反対25の賛成多数で可決した。修正案は下院が否決した当初法案に預金保護の上限引き上げや個人向け税制優遇措置などを盛り込み、支持取り付けを図った内容。これを受け法案審議の舞台は下院に再び移る。(共同)>
世界のマーケットに衝撃を与えた米下院の金融安定化法の否決だったが、修正を行った緊急経済安定化法案修正案を上院は賛成74、反対25の大差の賛成多数で可決した。下院では原案を賛成205、反対228の23票差で否決したのだが、修正案を下院が可決する公算がでてきた。
ペロシ下院議長の腕の見せ所?下院の否決はペロシ下院議長にとっても想定外だった様である。それはワシントン・ロイターが次の様に伝えていた。修正案がまた下院で否決されたらペロシ下院議長の手腕が問われるだろう。
<[ワシントン 28日 ロイター] 米議会の指導部は28日、最大7000億ドルの公的資金を使った金融機関の不良資産買い取りなどを含む金融安定化策の協議で大筋合意した。ただ、最終的な法案化にはまだ時間を要する見通し。
ペロシ下院議長は記者団に対し「われわれは大きく前進した。正式に合意するために文書化しなくてはならない」と述べた。(ロイター)>
ナンシー・パトリシア・ダレサンドロ・ペローシー(Nancy Patricia D’Alesandro Pelosi, 1940年3月26日–)はイタリア系の米国人。2006年の中間選挙で民主党が下院の過半数を占めたので、女性初の米下院議長として華々しく登場した。
中絶や同性婚を擁護するリベラル派の一人。石油関連企業向け優遇税制の見直し、中産階級向け減税、最低賃金の引き上げなど、格差是正を主張する一方で中国政府の人権抑圧政策に厳しい批判を加えてきた。
どちらかというと理念型のリベラル派。議会工作などは得意な方ではない。この一年半あまり下院議長として手腕をみせることもなかった。今度は造反議員にどう対応するのか、党議拘束をかけない米議会で議長の腕のみせ所なのだが・・・。
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