経済協力開発機構(OECD)が発表した加盟各国の2005年国内総生産(GDP)に占める教育への公財政支出割合において、日本は3.4%で、データ比較が可能な28カ国中で最下位だった。
調査結果によると、28カ国の平均は5.0%。1位は7.2%のアイスランドでデンマークの6.8%、スウェーデンの6.2%が続き、北欧の国が上位を占めた。下位3カ国は日本のほかスロバキアとギリシャ。
教育段階別の公財政支出でみると、小中高校までの初等中等教育では、日本は2.6%で下から3番目。大学などの高等教育は0.5%で各国平均のほぼ半分となり最下位だった。
この少ない公的投資を補っているのが、私費負担だ。教育費全体に対する私費負担の割合は、日本は31.4%。韓国、米国に続いて3番目に多い。これでは親の収入格差が、そのまま子供の教育格差となってしまい、階級分化が進んでしまう。
明治新政府は、明治8年には、現在とほぼ同数の2万4千校以上の小学校を設立して、全国津々浦々、すべての国民に平等に初等教育を受けられるようにした。これが、その後の日本の驚異的な発展の原動力となった。
幕末、戊辰戦争に敗れた長岡藩では、食料にも事欠く窮乏生活を強いられたが、支藩三根山藩から贈られた百俵の米を売却して、学校設立の資金とした。
手厚い福祉政策の陰で、財政難から公的教育投資を抑えるとは、今日の米100俵を食べ尽くしてしまって、明日の子孫の教育をないがしろにすることである。先人たちがこの有様を見たら、何たるていたらくと怒るであろう。
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2356 消えたコメ百俵の精神 伊勢雅臣

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