2383 フォーチュン番付の危うさ 平井修一

米経済誌フォーチュンの2008年「世界企業500社番付」は、2007年度決算の(利益:profitではなく)収益:revenueを基にしたものだが、「多角化された金融商品 Diversified Financials」のジャンルでの上位7社は こうである(カッコ内は500社中の順位。右端は収益:単位100万ドル)。
1 General Electric (12) 176,656.0
2 Fannie Mae (161) 43,355.0
3 Freddie Mac (162) 43,104.0
4 American Express (234) 32,316.0
5 GMAC (244) 31,490.0
6 Countrywide Financial (352) 23,442.1
7 Cie Nationale ・Portefeuille (470)17,821.5
7位はベルギー企業で、それ以外はすべて米国企業だ。ご存知のようにファニーメイとフレディマックは今回の金融不安で国有化された。GMACはGMの関連会社で大赤字。カントリーワイドは経営不安からバンカメに吸収されたと記憶している。
GEは巨大な電気屋だと思っていたが総合的なコングロマリットで、「現在は全体の事業の中でもGE MONEYが非常に大きなシェアを占めている」(ウィキ)とある。大丈夫なのかとサイトを見たら、増資するというリリースが載っていた。
<GE、普通株発行を発表 ウォーレン・バフェット氏がGEへの投資を発表・・・
GEのジェフ・イメルト会長兼CEO 「経済環境は依然激しく変動しています。しかしながら、当社の経営は順調であり、2008年の業績予想を先週発表した通り、第3四半期には金融サービスで約20億ドルの利益を予想しており、産業分野ではコンシューマー&インダストリアル事業を除いて10-15%の増益を予想しています」>2008年10月2日
万一に備えて先手を打ったような、あるいは李下に冠を正したような感じではある。4位のアメックスの筆頭株主もウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ (12.1%) だから、まあ大丈夫 なのだろう。
いずれにしても「500社番付」にランキングされながらもこのジャンルのトップ6位までを占めた米国勢の4社が息切れ状態というのは異常だ。規制緩和、市場原理主義の成れの果てが世界を巻き込んでの破綻である。来年の番付はがらりと様相を変えるだろう。
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