国家規模より金融システムが大きかったアイスランド。金融自由化の波で浮上しようとして失敗した地熱発電のくに。
金融危機に陥ったアイスランドはIMFに支援を求めた。総額60億ドルの金融安定化策には北欧諸国の中央銀行に加え、日本も支援に加わるそうな。
アイスランドの大手3銀行はすでに政府管理下に入り、くわえて通貨の急落で政府の外貨建て債務が膨張し、対外債務デフォルトに陥る。げんにアイスランド最大のカウプシング銀の経営はふらふらだ。
なんと言っても北海道ほどの極寒の島に人口31万人、事実上のデンマーク保護領。首都レイキャビクをのぞいて、街はない。国家規模より金融システムが大きかったアイスランドはEUの巨大市場で「金融自由化」の波に乗って経済的に浮上しようとしたら逆に失敗したのだ。
ベルギーとルクセンブルクはカウプシング銀行の経営支援に入った。
同銀行のベルギー支店などを含めて、唐突にATMにならんでも預金が引き出せず、預金者はパニック状態。欧州では国境を越えた業務を展開しているため、政府が外国銀行の経営支援に乗り出すことになるのだ。
カウプシング銀はルクセンブルクに現地法人を置き、ブラッセルならびに隣のベルギー支店で高金利を謳って預金をかき集めた。両国政府はルクセンブルク法人を銀行本体から切り離して、経営支援するシナリオで動いている。
カウプシング銀行は2006年10月に日本円建てのサムライ債を発行したが、利払い遅延が発生した。27日に利払いが無ければ、デフォルトである。
ノルウェイも支援を表明しているが、ウォール街発の世界同時株安、とんでもない場所にまで飛び火したのである。
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2425 アイスランドまで飛び火 宮崎正弘

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