2426 ウォール街の失業、二十万人に 宮崎正弘

ウォール街の失業、年内に二十万人を超過へ。ゴールドマンサックスさえ3300人を首切り。
バークレー銀は倒産したリーマンブラザーズのベテラン社員を3000人ほど雇用する方向と報じられたかと思いきや、他方ではゴールドマンサックスが全従業員の一割にあたる3300人を馘首する。
GSは最近「ガバメントサックス」の異名をとる。年内にウォール街で失業する数は20万人を突破するだろう。
華やかな街から高給取りが去れば、隣のチャイナタウンも、影響が出るかもしれない。とってもウォール街は、ネット時代。ミッドタウンや南端のビルに移動した金融機関も多いから、必ずしも地域的に集中しているわけでもないのだが・・。
そのゴールドマンサックス会長からブッシュ政権入りしたポールソン財務長官は、23日の議会証言で「リーマン救援のため、あらゆる手段を尽くした。だが、間に合わなかった」と釈明した。
前日にはグリーンスパン前FRB議長が、高まるFRB時代の政策の失敗という批判に答え、「経済政策の一部に誤りがあった」とした。
すでにウォール街一帯のレストランは閑古鳥、ホテルもデラックスルームに泊まる人がいない。
NY市は税の収入ががたんと落ち込む。ポルシェや豪華リムジンの中古フェアも人影なし。華爾街(ウォール街)が屍(しかばね)累々の荒野と化した。
さて、香港で衝撃的発表があった。
香港財閥最大の李嘉誠が率いるハッチソンワンポアが、新規事業を一年凍結と発表(24日、ファイナンシャルタイムズ速報)、香港株は一気に5%下落した。
ハッチソンワンポア(中国名「和記」)は、李嘉誠のもうひとつの旗艦企業「長江実業」と並ぶ。
この発表は、要するに検討中のあらゆるプロジェクトを凍結するという意味であり、とくに中国国内の不動産開発が多く含まれると言われる。日本で当てはめると三菱商事から三井物産が、向こう一年間、検討しているが、まだ着手していないあらゆる事業を凍結すると発表したような衝撃なのである。
日本株はもちろん下がったが、十一月にヘッジファンドの精算をひかえ、もう一段の下落を予測する向きが強い。
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