2502 世界は節目を迎えている 平井修一

イラクやアフガニスタンは反政府武装勢力が跋扈しており、米軍など国際治安部隊は苦戦しているが、戦前の支那はまさに今のイラク・アフガンだった。
大清帝国から中華民国へと体制が変わったが、軍閥という武装勢力が割拠して全国統一ができずに治安は悪くテロが横行、日本、英国、ドイツ、フランスなどは支那における自国民と権益の保護のために条約によって軍隊を派遣し、自衛せざるを得なかった。
武装勢力の代表は張作霖・張学良親子、蒋介石、毛沢東など。ロシアは支那を共産主義化するために張親子と毛沢東を支援し、米英は蒋介石を支援するから治安はちっとも回復しない。
米国は世界共産党(コミンテルン)の影響を強く受けており、アジアでの米国覇権を確立するために、共産主義勢力と戦い同時に植民地解放を唱える日本を敵視し、戦争を仕掛けた。
昭和16(1941)年1月21日、近衞文麿総理の施政方針演説からも日本の苦悩がうかがえる。
<帝国は嚮(さき)に更正新支那との関係を調整すべき根本方針を闡明(せんめい=明らかに)し、支那に対し東亜新秩序建設の任務を奮担(ふんたん=がんばって負担する)せんことを提唱したのでありまして、我が提唱に共鳴せる人士に依り樹立せられたる新政府は、皇軍武威の宣揚に伴ひ、着々其の歩を進め、昨年遂に日満支三国間の關係を律すべき締盟の成立を見るに至つたのであります。
併しながら支那には今尚ほ民族協和の大道を覚らず、救国の大事を抗戦の一途に求むるの勢が残存し、最近英米等に於ては援蒋(蒋介石支援)政策を更に露骨化し、帝国を牽制せんとしつつあるのでありまして、帝国は抗戦を事とする者は飽くまでも之を撃滅し、我に共鳴する者は堅く是と提携し、大東亜新秩序建設のために愈々(いよいよ)邁進せんと
するものであります>
「新支那、新政府」とは汪兆銘の南京国民政府で、この演説の前年3月30日に成立した。国共合作で共産主義者と手を組むはめになった蒋介石の重慶政府は相変わらず反日テロを繰り返した。
支那事変は泥沼化し、米国との戦いも加わって日本は未曾有の敗戦を喫したが、それによって米国が得たものは世界的な共産主義の拡大だ。
共産主義との戦いでは米国は辛うじて勝ったものの、イスラム原理主義テロリストとの戦いでは苦戦を強いられている。パレスチナ問題も出口はまったく見えない。イラク・アフガンさらにパキスタンも同様だ。
ヘッジファンド爆弾は米国政権から共和党を追い出すことになった。20兆円の損失をもたらすと言われるGM爆弾はいつ炸裂するか、もう時間の問題だ。
まさに内憂外患。足元に火がついた米国は再生し、再び世界に超大国として君臨するのだろうか。それともG20の集団指導体制になるのか。世界は節目を迎えている。
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