このアジア通貨”劇安”状況で、なぜ人民元だけが暴落しないのか。海外華僑の最後の砦は人民元投機。
韓国ウォンは55%安。ソウルの最高級・新羅ホテルが一万二千円で泊まれる。
97年アジア通貨暴落のときも中国だけは被害を免れた。今回も、対米輸出激減、失業増大、株と不動産価格大暴落を演じている中国だが、なぜか通貨・人民元だけが暴落をしていない。
理論的に言えば一ドル=8・2(05年)から6・8に為替レートが修正されているものの、世界の通貨の相対比較において、割高なのである。
アメリカを中心に海外華僑と、バミューダを経由した、「米国籍だが、本当は中国の洗浄資金」が株と不動産に投資して、これまでにしこたま儲け、昨今は最後の砦の人民元投機を、依然として継続しているからだ。
もしこの巨大な海外華僑の投機資金が中国から引き上げたら人民元はアジア通貨同様に暴落する。
アメリカにいる華僑は人民元がまだまだ強くなると信じているようだ。
しかし中国の経済の実態を勘案すれば、どうしても一ドル=8・00人民元前後に、或いは現行の一人民元=15円が、12円程度までに落下することになるだろう。
中国の外貨準備高世界一のからくりは人民元投機であり、ユーロが突如165円から120円に崩落したように、ユーロ同様の27%暴落が起これば、一人民元=16円は12円強になる。
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2516 人民元だけが暴落をしていない 宮崎正弘

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