2519 世銀の中国成長率予測は7・5% 宮崎正弘

世銀、中国成長率予測をさらに格下げし7・5%に。「それでも楽観的すぎないか」と批判が広がっている。
昨年の中国の経済成長はGDPで11・8%だった。
ことし、全人代での目標は8%台。世銀は年初に9・8%成長を予測していたが,五月頃に9・3%に下方修正し、つい先日、いきなり7・5%へと格下げした。
昨年比で11・8%からいきなり7・5%となった訳だから4・3%ものダウン。
中国は1%のGDP経済成長率の減少で五百万人の失業がでると、中国専門家は分析する。ということは二千百五十万人が失業する。
この数字は納得がいく。しかも失業二千百五十万人というのは極く控えめの数字だろう。
すでに華南から江蘇省、浙江省にかけて企業倒産はラッシュ。かの「中国のユダヤ人」と言われる温州ですら、倒産企業が目立ち始めた。
工場閉鎖、経営者夜逃げなどで、大量の失業者が確認されている。
旧正月まであと三ヶ月あるというのに、都会から地方への帰省が急激に膨張しており、鉄道や長距離バスは連日満員なのである。
工事中のビルが突如中断している光景も目立ち、できあがっても入居者のいないのはマンションばかりか、ショッピング・アーケードや地方都市の職人街。無人の荒野のごとき寂寞さが露呈している。
「世界経済危機に中国の貢献を期待するのはやめた方が良い。世界秩序への貢献どころか国内そのものが、投機のためのビルの作りすぎ、建設方面だけの集中的投資のやり過ぎ、輸出製品の過剰などによって、いま突然の崩壊に直面している」(フィリップ・ボウリング、『ニューヨーク・タイムズ』紙、十一月二十六日付け)。
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